本当に88歳のおじいちゃんなの!? 4枚の写真が話題です。
岡山県在住のぎおんさん(@twelveO2twelve)が近所に住む男性を撮り、Twitterに投稿したところ、2万1千回以上リツイートされ、9万9千を超える「いいね」が集まりました。
リプライ欄には「いい表情ですね。ほれぼれします」「オシャレに年齢は関係ない」「こんな歳の取り方をしたい」など、反響が寄せられています。
……なんて生き生きとした表情なのでしょう。ビビットなパンツやスカーフがお似合いです。
それに、サングラスやベレー帽などの小物が、いい味を出しています。
背景の山々とビビットピンクの傘のコントラストも良い……。
スカジャンを着ると、これまでとはまた別のかっこいい雰囲気を感じ取ることができます。
ツイートには、こう言葉が添えられていました。
「88歳のおじいちゃんが、歳とると派手な服が似合わんなる。とか言うからそんなわけないだろうと思って着てもらったら予想を超えてファンキーでカッコよくなったから見てくれぇーー!!!」
「着てるうちにおじいちゃんもめちゃ元気になっててこれぞファッションの力って感じがした」
……写真を何枚見ても、88歳とは思えないのですが!? その前に、このおじいちゃんは何者……!?
気になることがいくつもあるので、BuzzFeedは投稿者の祇園涼介さんに話を聞きました。
今回、プロデュースをしたのは、国産ジーンズブランド「Rockwell Japan」の代表を務めている祇園涼介さんです。
そして、写真の男性は、農家を営んでいる88歳の三好晋平さんです。
2人はご近所同士で、祇園さんの動画によると、「三好さんから野菜や果物などをいただいていて、いつもお世話になっている」と説明しています。
では、どうしてイメチェンすることになったのでしょうか。
三好さんをファッショナブルに変身させた背景を、こう振り返ります。
「日々三好さんと接するなかで『歳をとると周りを見ても、誰も派手な服を着ていない』『明るい色を着ると元気が出るのに、この歳では周りの目もあって、着ることは難しい』ということを聞きました」
「私としては、その話を聞いて、歳を重ねたからこそ、カッコよく着れる服があるはずだと感じました。そこでファッションに携わる者として、おじいちゃんを元気付け、いつもお世話になっているお礼ができたらなと思いました」
祇園さんは、三好さんの思いを受け、動き出します。
香川県高松市の古着屋さんに出向いたのです。
当日着てもらう服を自分で試着して、色合いやバランスまでも確認しました。
でも、どうして数あるブランドのなかから、わざわざ古着を選んだのでしょう。
企画をスタートしたときから「新品およびハイブランドという選択肢は、ありませんでした」と話します。そこには、2つのこだわりが隠れていました。
「三好さんの魅力は、戦前から今までを力強く生き抜いてきたその生き様だと考えています。それらを最大限に生かすためには、ブランドイメージが前に出てしまう服ではなく、色やシルエットの組み合わせのみで勝負できる服を選ぶべきだと思ったのです」
「また、三好さんの生き様と同様に、古着は、服そのものも年数を重ねるごとに風合いが変わってきます。長い人生を歩んできた三好さんに最もフィットするのは、製品自体が歴史をもっている古着がベストだと感じました」
服だけではなく、細部にまで信念をもって取り組みます。
古着のほかにも、撮影地や小道具、ポージングまでも、一貫して思い入れがあるようです。
「前日にカメラマンとロケハンに行きました。意識したことは、撮影中におじいちゃんにストレスがかからない場所にすることです」
「結果、馴染みのある三好さんの家と、三好さんの畑を中心に、光の入り具合を見て選定しました。ポージングと小道具に関しても私が決定しました」
撮影が進むにつれて、三好さんの表情は柔らかく、元気になっていきました。
これについて、祇園さんは自身の経験を踏まえて「今まで経験してこなかった新しい自分の姿に、新鮮味を感じた部分があったのではないか」と分析します。
「何歳になっても、新しい刺激を受けると元気が出るのだなと感じました。また、外見が変わるとそれに見合うように、内面が変わるというのも、自分自身の経験から理解できる気がしています」
というのも、自身の髪型がアフロだった時は、自然とひょうきんものを演じていたそう。
多くの人から寄せられる反響に、「ここまで多くの方に見てもらえるとは思っていなかったため、びっくりしているというのが1番です」と話しています。
「ただ、皆さんから『元気をもらった!』『こんな風に自分も歳をとりたい!』といった好意的な反応をいただき、やってみてよかったなと心から思いました」