「奨学ナプキン」に9千名から応募が殺到。浮き彫りになった深刻な「生理の貧困」

    大王製紙が「奨学ナプキン」の奨学生を追加で1000名分追加することを発表しました。1年間無料でナプキンをもらうことができます。

    生理用品「elis(エリス)」を展開する大王製紙は、さまざまな理由から生理用品の入手に困っている学生に1年分のナプキンを無償でプレゼントする「奨学ナプキン」制度を開始しました。

    インターネットを通じて1000人の奨学生を募集したところ、予想を大幅に上回る反響を受け、応募総数は9000件を突破。

    他の企業・団体からの賛同もあり、当初の予定に1000人を追加した計2000人を奨学生としました。

    応募者のアンケートでは、生理用品購入に「ほぼ毎月苦労している」と答えた人は4割を超え、うち経済的な理由をあげた人は約7割に。「生理の貧困」の深刻な課題が浮き彫りになりました。

    「奨学ナプキン」とは

    昨今、経済的な背景や環境的な要因などから、生理用品を手にすることが難しい「生理の貧困」が少しずつ注目を集めています。

    「奨学ナプキン」とは、さまざまな理由で生理用品の入手に困っている学生を対象に、1年分の生理用ナプキンを3回に分けて無償提供する取り組みです。

    4割超が「ほぼ毎月苦労している」

    応募時のアンケートでは、実際に「生理用品の購入に苦労した経験がある」という人は全体の97.1%にのぼり、「ほぼ毎月苦労している」という人は42.7%となりました。

    生理用品の購入に苦労した理由(複数回答)としては「経済的な理由」が69.3%、「人目が気になって恥ずかしいから」が40.0%と、学生のリアルな悩みが垣間見える結果になっています。

    生理用品が手に入らなかったときには…?

    生理用品が手に入らなかったときには、「ナプキンの交換回数を減らす」「同じナプキンを繰り返し使う」など、限られた数の中でやりくりしているという声が多くあげられました。

    また、「トイレットペーパーを何枚も重ねて使った」「着られなくなった洋服を切って使った」など、何かで代用しているという声や、「外出せずに家で過ごした」「妹のオムツを切って使った」などの意見も寄せられています。

    生理中は「外出を控えたり活動を我慢してしまう」が6割

    生理に関して困っていることとして、最も多かった回答は「気分が憂鬱になる」(76.3%)。

    続いて「外出を控えたり活動を我慢してしまう」(64.4%)、「値段が高くて買いづらい」(60.0%)があがりました。

    そのほかの回答として「父子家庭なので周りに教えてくれる人がおらず知識がない」「ナプキンをトイレに持っていくのが恥ずかしい」「生理痛で学校を休みたいと言ったのに先生に我慢しろと言われた」などの声も寄せられました。

    もしも、生理用品購入の悩みが解消されたら…?

    生理用品購入の悩みが解消された場合、期待することとしては「減りを気にすることなく気兼ねなく交換できる」「購入していたお金で他に必要なものを購入できる」といったポジティブな反応が集まりました。

    奨学ナプキンの対象者には、6月末に第1回、10月に第2回、12月に第3回のナプキンを送付します。利用者に向けたアンケートも期間中に2度実施予定です。