憲政史上最長の首相、安倍晋三氏の軌跡を知る20枚の写真

    奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日、参議院議員選挙の応援演説中だった安倍晋三元総理が銃撃を受け、倒れました。憲政史上最長の総理となった安倍氏の軌跡を写真で振り返ります。

    by
    Reona Hisamatsu
    by Reona Hisamatsu

    久松 怜央奈 BuzzFeed Japan News Reporter

    ,
    Kando, Yoshihiro
    by Kando, Yoshihiro

    BuzzFeed Japanニュース編集長/Chief News Editor, Japan

    奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日午前、参議院議員選挙の応援演説中だった安倍晋三元首相が銃撃を受け、倒れました。67歳でした。
    憲政史上最長の首相となった安倍氏の軌跡を、写真で振り返ります。

    結婚披露宴であいさつする安倍晋三夫妻＝1987年6月9日

    時事通信

    安倍氏の父は外相などを務めた晋太郎氏。幼い頃からサラブレッドとして育てられた。父の秘書を務めていたころに昭恵氏と結婚した。


    故岸信介元首相の内閣・自民党合同葬に参列する岸信夫氏、安倍晋太郎夫妻、安倍晋三氏＝1987年09月17日

    時事通信

    安倍氏の祖父は元首相の岸信介氏。実弟、信夫氏（現・防衛相）は岸家の養子となり、「岸信夫」を名乗った。実の兄弟であることを知ったのは､成長した後のことだったという。

    故・安倍晋太郎氏の追悼演説を傍聴席で聞く安倍晋三氏と母の洋子氏（右）＝1991年08月08日

    時事通信

    父・晋太郎氏は総理就任の夢を果たせないまま、病に倒れた。

    衆院選で父の地盤を継ぎ、初当選。介護法案で質問する自民党の安倍晋三氏＝1996年12月13日

    時事通信

    安倍氏は父の地盤を継ぎ、政治家となった。

    小泉内閣で官房副長官に＝2001年04月28日

    時事通信

    知名度を飛躍的に高めたのは、小泉政権で官房副長官になったころだ。


    小泉首相の北朝鮮訪問に同行。一時帰国した拉致被害者5人を返さないことを決定。＝2002年11月27日

    時事通信

    北朝鮮への強硬姿勢を崩さない安倍氏に注目が集まり、一気に「次代のリーダー候補」と目されるようになった。

    自民党幹事長に。議席で考え込む姿＝2003年09月29日

    時事通信

    2003年、自民党幹事長に抜擢された。閣僚も党の要職も務めないうちに幹事長となるのは異例。当時の小泉首相が得意とした「サプライズ人事」だった。

    自民党総裁、第90代首相に。自民党本部の総裁室に入っていく安倍晋三総裁＝2006年09月25日

    時事通信

    小泉氏の首相退陣後、戦後最年少の52歳の若さで首相となり、政権の座を継ぐことになった。

    首相辞任の理由などについて記者会見する安倍晋三首相。健康問題を理由に退いた＝2007年09月24日

    時事通信

    第一次安倍政権は「戦後レジームからの脱却」を掲げて教育基本法改正などを行った。やがて支持率が低迷するようになり、2007年の参院選で自民党は惨敗。党内で「安倍下ろし」の空気が強まるなか、体調の悪化を理由に退陣を表明した。

    退陣後は辛抱が続いた

    時事通信

    自民党はその後、民主党に政権を奪われた。安倍氏も一時は「過去の人」という扱いを受けた。

    写真は2012年1月、衆院本会議で民主党の野田佳彦首相の施政方針演説を聞く自民党の（左から）安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の3人の元首相。


    東京の自民党本部で記者会見する安倍晋三元首相。自民党総裁選で復権へ＝2012年9月26日

    Yamaguchi Haruyoshi / Corbis via Getty Images

    安倍氏が自民党総裁の座に返り咲いたのは、2012年。「もう無理だろう」という声を覆し、決選投票で石破茂氏を破った。

    安倍氏率いる自民党は同年12月の衆院選で圧勝。民主党から政権を奪還し、第二次安倍政権が発足した。

    参院国家安全保障特別委員会で、特定秘密保護法案が可決＝2013年12月04日

    時事通信

    第二次安倍政権の看板政策は、アベノミクスと安全保障、外交だった。

    消費税率が5%から8%に引き上げに。東京都・日本橋三越本店で和菓子を購入する様子＝2014年4月5日

    時事通信

    一方で消費税率の引き上げで、アベノミクスによる景気浮揚効果を打ち消したという批判も強い。

    安全保障関連法が成立し、取材に応じる安倍晋三首相＝2015年09月19日

    時事通信

    目玉の安全保障で関連法制を成立させ、日本の防衛政策を転換させた。

    自民党大会で演説の冒頭、森友学園問題について謝罪している様子＝2018年03月25日

    時事通信

    政権が長期化して「安倍一強」と呼ばれるようになる中、森友学園問題など、安倍氏やその周辺人物、組織の関係する問題が起き、「忖度（そんたく）」が一種の流行語となった。

    新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相＝2020年5月25日、首相官邸

    時事通信

    世界を襲ったコロナ禍。日本の景気浮揚の目玉となるはずだった東京五輪は延期され、政権はコロナへの対応に追われた。国民に綿製マスク、通称「アベノマスク」を配布したことも。

    連続在職日数が歴代最長に。Instagramで動画のメッセージを投稿＝2020年8月25日


    体調不良を理由に再び首相辞任を表明。「国民の皆様。8年近くにわたり、本当にありがとうございました」＝2020年8月28日

    安倍内閣の総辞職にあたり、安倍氏からの首相として最後のメッセージ＝2020年9月16日

    参議院選挙では応援演説のため日本中を駆け巡っていた。

    AFP=時事

    7月10日投開票の参議院選挙で、安倍氏は各地で応援演説の要請を受け、駆け回っていた。

    写真は7月6日､横浜市で応援演説のマイクを握る安倍氏。この2日後、奈良市内で演説中に凶弾に倒れた。