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新社会人のみなさんへ「会社なんかいくらでもある」休職経験のある元保育士が伝えたいこと。

元こども園勤務の女性が綴る、新社会人に向けたツイートがあります。「新人いびり」によって出勤することが難しくなった彼女の経験談とは。

新入社員のみなさんへーー。初めての仕事で休職した経験を持つ人が、新社会人へ贈った温かい言葉が話題です。

株式会社キットウェルで広報として働く、田中さん(@uma_tanaca)が自身の経験をTwitterに投稿したところ、8千回リツイートされ、9万2千回を超える「いいね」が集まりました。

リプライ欄には「ものすごく共感しました」「会社なんかいくらでもある」「やっぱり無理に頑張ると、いいことない」と反響が寄せられています。

では、どんな言葉をツイートしたのでしょうか?

入社◯日目で辞めましたっていう若い子たちよ、大丈夫、其方はまだ若い。いくらでも色んなことを試せるウマ。田中の前職は保育士だったのだけど新人いびりのお陰で毎日お腹を痛めながら通勤してたらある日の朝、幼稚園に着いたら手と足の震えと涙が止まらなかったウマよ。

田中ですさんのTwitterより / Via Twitter: @uma_tanaca

入社後に間もなく辞職した若い人たちへ、「大丈夫、そなたはまだ若い」「いくらでもいろんなことを試せる」と、メッセージが綴られていました。

以前は保育士として働いていた田中さんは、職場で「新人いびり」を受け、腹痛に耐えながら出勤していました。

そしてある日突然、震えや涙が止まらない経験をしたと記しています。

BuzzFeedは、田中さんに話を聞きました。

私は絶対に生涯保育士として生きてやる!って思ってたのに今は馬被って(Twitterとかまじ無理)って思ってたのにハマってるし本当人生ってわからないウマ。大丈夫、其方はまだ若い。それに尽きるのだ。

田中ですさんのTwitterより / Via Twitter: @uma_tanaca

田中さんは、幼児教育専門学校で保育士・幼稚園教諭二種免許を取得。卒業後は5年間、こども園に勤務していました。

もともとは「生涯保育士として生きる」と決意していたほど、子どもと関わる仕事に憧れを抱いていたそうです。

「ありきたりですが、私が幼い頃に通っていた保育園の担任の先生がとても優しく、『いつか私も先生みたいな人になりたい』という思いから、保育士を目指すようになりました」

「すでに4歳くらいの時の時点で将来就きたい職業は『保育士または幼稚園教諭』でした」

「田中先生って先生じゃないよね」

しかし、実際に働き始めると、先輩の先生たちから「新人いびり」とも言える扱いを受けるようになりました。

「配布するプリントをシュレッダーにかけられたり、私物を隠されたり、挨拶をしても返事をしてもらえなかったり、報連相をしてもらえなかったりしました」

「いろいろありましたが1番ショックだったのは『田中先生って先生じゃないよね。先生ぶってる。辞めた方がいいんじゃない?』と言われたことでしょうか」

それでも1年目は気が張っていたこともあり、平日は元気に出勤。その代わりに、休日に体調を崩すことが多々あったそう。

そんな生活を続けていると、体調に異変が。

「2年目からは毎日のように腹痛に襲われるようになりました。それでも『子どもたちが待っている』という思いで出勤していました」

「そんなある日の朝、園の前に着いた瞬間に手足が震え、涙が大量に溢れてきました。その日を境に出勤することが怖くなり、職員である私が『登園拒否』を起こしました」

「登園拒否」を起こしたその後。

自宅療養中、田中さんは自分の好きなことをし、心の傷が癒えるまで、回復を待ちました。

「幸いにも実家住みで理解のある家族だったため、『気の済むまで休んだらいい』と優しく支えてくれました」

1カ月ほど自宅療養をした後、復職。園長先生と話をして、幼稚園クラスから保育園クラスへ移動しました。

「保育園クラスでは平和に過ごすことができたおかげで、幼稚園教諭と保育士を合わせると5年の間、同園でお世話になりました。出産を機に退職しました」

「我慢は美徳」だけど…。

初めての職場で、過酷な経験をしたからこそ、仕事や職場との向き合い方も変化したと田中さんは語ります。

「『我慢は美徳』という言葉があるように、時には苦しみや辛さを経験することも大事だとは思います。でも、体調を崩したり精神的に参るのであれば無理して耐えることはない気がします」

「人によってポテンシャルも能力も性格も考えも異なります。なので自分に合う会社や職種が見つかるまで探し続けて、それが見つかった時に全力で責任を持って全うすることの方が自分にとっても社会にとっても大切だと思います」

多くの人から寄せられる反響に「いつの時代も私と同じように心が泣いている方がいるんだなぁ…と感じました」と話し、こう続けます。

「それと同時に、『私は誰かを無意識に傷つけていないだろうか?』と振り返るきっかけにもなりました」

〈サムネイル:Getty Images〉