こちらはカリーナ・ブラウン。ラグビーリーグ(13人制)の女子オーストラリア代表チーム、ジラルーズのメンバーだ。
そしてこちらはヴァネッサ・フォリアキ。同じく代表チームジラルーズのメンバー。
そして、二人は交際中のキュートなカップル。
ブラウン選手のInstagramには、二人のほほえましい写真が投稿されている。下の動画は、オーストラリアで昨年行われた同性婚合法化の是非を問う国民投票で「Yes」に1票を投じる様子。
だが二人はそれぞれ、クイーンズランド州選抜とニューサウスウェールズ州選抜というライバルチームに所属する選手でもある。そして6月22日、両チームが対決する毎年恒例のビッグゲームが行われた。
つまり、二人は敵同士として戦わなくてはいけないとうこと。NRL(ナショナルラグビーリーグ)の取材に答えた両選手は「これは二人の前に立ちはだかった最大の難関だ」と述べている。
試合が近くなると、フォリアキ選手はメールにも返事をしなくなった、とブラウン選手は言う。
フォリアキ選手は先のインタビューで「カリーナからメールが来ても、私は『向こうはクイーンズランドの選手だし』と、返信せずに放置していました。彼女はライバルチームの選手であり、倒したい相手なんです」と話している。
(ブラウン選手にコメントを求めたが、現時点で回答はなかった)
試合は、フォリアキ選手のニューサウスウェールズ州選抜が16対10で勝利した。でも、二人の関係には影響はなかったようだ。試合後、フィールドでキスを交わし、互いをたたえあう二人の姿があった。
NRLの公式ページは二人の美しいシーンをシェアし、多くのファンから賞賛の声が上がった。
「今年のスポーツベストショット」
「美しい。すばらしい試合の後の本物の気持ちが表れている」
「この写真を載せてくれてありがとう」
「すばらしい! オープンに支持する姿勢に感謝!」
「美しいシーン……ロマンチックコメディのストーリーにしたらいいと思う」
ただし、肯定的な反応だけではなかった。二人のキスは不適切だと考えた人も。
「女子ラグビーは好きだし、勝ったチームにはおめでとうと言いたい、でもこの二人はまったく受け入れられない」
「こういうプライベートな行為はフィールドではやめるべき」
「ラグビー選手の振る舞いについて行動規範や方針はあるのだろうか? 一般的な職場では、パートナー同士でもそうでなくても人前での愛情表現は歓迎されないものとされているはず。まだフィールドにいることを考えると、二人のキスが適切かは議論の余地がある」
だが、 LGBTコミュニティを支持する姿勢を関連団体から表彰されたばかりのNRLは、ヘイトの声に対し反論で切り返した。
NRL側がブラウン、フォリアキ両選手をサポートする姿勢を前面に出しているのが伝わってくる。💙💜💚💛❤️
男子ラグビーの試合後にも、同じように選手同士のキスが見られる日がきてほしいと期待する声も。
一方、女性同士のキスはよくても、ライバルチームの選手同士のキスは受け入れられない、という人はいるようで…。
「けしからんね、なんでクイーンズランドの選手とキスできるのかわからない。州の枠を越えられる稀有な人なんだろう…」
以上、2018年の今を映し出すできごとでした。ハッピー・プライド!
この記事は英語から翻訳されました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan