「この傷は、愛国心の証として十分ですか?」シャツをめくり胸にある傷跡をみせたアジア系男性に称賛の声

    アメリカの退役軍人でアジア系のリー・ウォン氏(69歳)が、現役軍人のときに負った傷を見せながら、アジア系への差別について力強いスピーチを行い、話題を呼んだ。

    3月23日、アメリカ・オハイオ州のウェスト・チェスター区で町議会が開かれた。

    同区の理事会長を務めるリー・ウォン氏(69)は、コロナ禍のアメリカで広がっているアジア系への差別に対し、力強いスピーチを行い話題を呼んだ。

    「長い間、私は多くの差別を静かに我慢してきました。差別や暴力が悪化するのを恐れ、声をあげられなかったのです」

    ジョージア州のアトランタでは3月16日、男がアジア系が多く働くマッサージ店を相次いで銃撃。アジア系女性6人を含む8人が死亡した。ウォン氏はこの事件を受け、議会でスピーチを行った。

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    コロナ禍で増加するアジア系への差別。「私たちはよそ者としてみられている」

    Side-by-side images of  Lee Wong speaking into a microphone and showing the scars on his chest
    West Chester Township / Via Vimeo

    ウォン氏は18歳のときに、ボルネオ島から渡米した。

    ここ数年、アジア系アメリカ人に対する人種差別が「ますますひどくなっている」のを感じている、とウォン氏は話す。

    退役軍人のウォン氏自身も、人種を理由に国に対する忠誠心を疑われた経験があると語った。

    「私に近づいてきて、(私が)アメリカ人に見えない、愛国心が足りない、と言ってくる迷惑な人たちが本当にいます」

    「私の愛国心を疑う人たちは、私がアメリカ人に見えないと言うのです。彼らは、この顔がどうしても気になるようです」

    Pacific Press / Pacific Press/LightRocket via Ge

    ウォン氏が渡米して数年後、彼は見知らぬ男に殴られる被害にあった。しかし、その男が罪に問われることはなかったという。

    この出来事は、彼の人生を大きく変え、その後20年間アメリカ陸軍に所属するきっかけにもなった。

    「私は怖くありません。脅迫や侮辱に怯えて生きる必要もないのです」

    「今から、愛国心がどのようなものかお見せします」

    ウォン氏はそう言うと、上着とシャツを脱ぎ、胸にある傷跡をみせた。

    West Chester Township / Via Vimeo

    それは、現役軍人のときに負った傷だった。

    「これが、私のアメリカに対する愛国心の証拠です。皆さんにとって、この傷は愛国心の印として十分でしょうか?」

    「この傷のおかげで、私は恥を感じることなく歩けます。でもこの傷を負う前は違いました」

    ウォン氏のスピーチの映像は、同じく退役軍人のAP通信社記者がツイッターに投稿したのをきっかけに、人々の目に留まった。

    「尊厳と尊敬を得るために、どれほど『アメリカ人か』を証明する必要なんてない。でも、威厳あるリー・ウォン氏の姿は素晴らしかった」

    no one should prove how "American" they are to deserve dignity and respect. but damn. Lee Wong went hard on them and it is very satisfying to watch 👏🏼👏🏼👏🏼 https://t.co/DbrPkt8rHq

    Twitter: @jennyyangtv

    「ウェスト・チェスター区の理事会長であるリー・ウォン氏は、うんざりしているのです。疑う余地のないウォン氏の声、パワーに感謝します。そして私は彼をサポートします」

    Veteran & Chair of the West Chester Township (OH) Bd of Trustees Lee Wong has had it. Lifting Mr. Wong up today with thanks for his transparency, voice and power. #EnoughIsEnough #StopAsianHate https://t.co/TW1K0ET4Xq

    Twitter: @Sifill_LDF

    「今回のスピーチは準備されていたものではなかった」と、ウォン氏はシンシナティ・インクワイアラー紙の取材に対し、語った。

    「その瞬間、何が起こったのかはわかりません。ただ、何かを言わなければならないと思いました」

    ウォン氏は、食料品店で見知らぬ親子に「目」を嘲笑されるという差別にあったばかりだったという。

    また、同氏はスピーチ後に寄せられた好意的な反応や支援に感謝しているとも語った。

    「皆さん、私の貢献に感謝してくれているようです。私が声を上げたことを喜んでくれています」

    共和党員であるウォン氏は、2020年の州議会上院選挙に出馬する際、自らを「穏健派」と説明している。

    彼は選挙運動で、トランプ前大統領がスローガンに掲げた「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国に)」の帽子をかぶっていた、とシンシナティ・インクワイアラー紙は報じた。

    BuzzFeed Newsがは、ウォン氏にコメントを求めたが、今のところ返答はない。

    ウォン氏のスピーチの全容(英語)は、こちらから👇

    vimeo.com

    ウォン氏のスピーチは25分から。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン