死ぬまでに一度は見ておきたい、サイレント映画たち

    色褪せることのないモノクロ時代の名画

    1. 街の灯 (1931)

    監督:チャーリー・チャップリン

    チャップリンお得意のユーモアがちりばめられているだけでなく、美しいエンディングが印象的。

    2. メトロポリス (1927)

    監督: フリッツ・ラング

    SF映画の原点。この映画で使われている 特殊効果 は時代を大幅に先取りしたものだった。独特のビジュアル、労働者階級と上流階級の対立というストーリー、ディテールに対するこだわりが、この映画を同時代の他の映画と一線を画するものにしている。

    3. 最後の命令 (1928)

    監督 : ジョセフ・フォン・スタンバーグ

    帝政ロシアとハリウッドという、2つの全く異なる世界を巧みに描く。この帝政ロシアの崩壊についてのドラマは、ビジュアルも出演者の演技も見事。本作品でエミール・ヤニングスはアカデミー最優秀男優賞を受賞した。

    4. キートンのカメラマン(1928)

    監督:バスター・キートン

    キートンはMGM社の秘書・サリーとの恋愛成就を望み、カメラマンとしてのキャリアを歩む。バスターのスタント、笑いのタイミング、徹頭徹尾なバカバカしさで、泣いて笑えることは請け合いだ。

    5. サンライズ(1927)

    監督 : F.W. ムルナウ

    究極の試練に置かれる夫婦の愛を描く。 サンライズ はアカデミー賞を3つ受賞し、最初のオスカー最優秀映画賞となった。本作品はそのストーリー性、撮影技術、秀逸なスーパーインポジションの使い方で高い評価を受けている。

    6. 最後の人(1924)

    監督 : F.W. ムルナウ

    高級ホテルの老いたドアマンを描く。老人は仕事をクビになり、その原因を家族から詮索される。映像だけでもストーリーを理解できてしまう好例といえる。

    7. 裁かるるジャンヌ (1928)

    監督 : カール・ドライヤー

    ジャンヌ・ダルクの裁判と処刑を描いた作品。ルネ・ファルコネッティの苦悩する殉教者の演技は、映画史上最も美しい演技の1つといわれる。様式化されたカメラワーク、インパクトある構成、直接的な暴力表現によって、本作品はルネッサンス絵画のような仕上がりとなっている。

    8. ナポレオン (1927)

    監督 : アベル・ガンス

    この壮大な歴史映画は3部に分かれており、フランス革命とルネ・ファルコネッティ・ボナパルトを描きます。最後の20分間に3部作の異なる画像が同時にスクリーンに映し出されており、ガンスの監督技術を象徴している。

    9. 戦艦ポチョムキン (1928)

    監督 : セルゲイ・エイゼンシュテイン

    戦艦ポチョムキンは不公正で過酷な労働条件に反発した、戦艦ポチョムキンの乗組員の反乱を描いた作品。モンタージュや、画像を並べることで、スクリーン上での意味合いを大きくするなど映画編集に革新を起こした手法がみられる。

    10. 吸血鬼ノスフェラトゥ (1922)

    監督 : F. W. ムルナウ

    ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」 をベースにしたホラー映画。ムルナウは、モンスターを凶暴に描き、効果的に影やステージ設定を使い、恐怖心をあおっている。

    11. パンドラの箱 (1929)

    監督 : ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト

    ショーガールのルル役のルイーズ・ブルックスが魅力的な演技を見せている。どのフレームをとっても、スタイリッシュで、エロティシズムにあふれている。

    12. カリガリ博士 (1920)

    監督 : ローベルト・ヴィーネ

    マッドドクターとその夢遊病「患者」の悪夢的世界観の探求を通じてドイツ表現主義のスタイルを確立したホラー映画。デザインやコスチューム、メークアップ、俳優のコンラート・ファイトの優れた演技が高く評価されている。

    13. ロイドの用心無用 (1923)

    監督 : サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー

    立身を目指して田舎から都会に出てきた青年の物語。主演のハロルド・ロイドのスタントやギャグは、チャップリンやキートンとは一線を画している。

    14. 霊魂の不滅 (1921)

    監督 : ヴィクトル・シェストレム

    過去に出会った人たちに、過ちを改めさせようとする男性を描く、スウェーデン映画。特殊効果とフラッシュバックを用いた複雑な脚本構成は、20世紀初頭としては非常に先進的なものだった。

    15. 月世界旅行(1902)

    監督 : ジョルジュ・メリエス

    月への探検旅行を決意した宇宙飛行士たちを描いた作品。メリエスはマジシャン、かつステージ・プロデューサーであり、自身の才能を昇華させ、映画をそれまでとは全く違うものに変革した。

    16. 下宿人(1927)

    監督 : アルフレッド・ヒッチコック

    見所 : 舞台は女性の連続殺人が発生していたロンドン。バウンティング夫人は、新たに入居した男性が、殺人犯ではないかと疑うようになる。このサイレント・スリラーは、「サスペンスの神様」が後年ハリウッドに何をもたらすかを垣間見せてくれる。

    17. アンダルシアの犬(1929)

    監督 : ルイス・ブニュエル

    ブニュエルとサルバトール・ダリの最高のコラボレーション作品。あらすじがないにも関わらず、映画全編の夢の中のようなシーケンスは、ダリの絵画作品を現実に結びつけている。