目指すのは「世界最高のシェーバー」


技術の流出を避けるために日本国内での生産にこだわる

2〜3日伸ばしたヒゲも一気に剃り上げる「パワフルさ」

新しい需要、新しいやり方を取りこぼしせず

目指すのは「世界最高のシェーバー」。パナソニックのシェーバーは初代機から一貫して国内生産にこだわっています。「流出しては困る、匠の技術がある」からだといいます。
パナソニックは今年、同社の高級シェーバー「ラムダッシュ」をフルモデルチェンジしました。
5枚の刃を搭載していた従来モデルを、新モデルでは6枚刃に変更。最上位モデルでは本体価格6万円を超す高級シェーバーです。
コロナ禍で外出機会が減る今、どのような想いで新モデルを開発したのか、パナソニック アプライアンス ビューティ・パーソナルケア事業部 事業部長の林眞一氏に話を聞きました。
電動シェーバーとひとくちに言っても、市場には様々なタイプがあります。ヘッドの形状にこだわったもの、防水性能に優れたものなど、各社、工夫を凝らして、色々な機能を打ち出しています。
その中で「ラムダッシュ」の強みはどこにあるのでしょう。
「短時間で美しく剃り上げるとうい点では他社に負けない。目指すのは世界最高のシェーバーです」(林 事業部長)
キモとなるのは、日本刀と同様の工法を経て作っている「刃」と、モーター部分にあるといいます。
「日本刀のような薄くて強い刃は切れ味が優れているのはもちろん、耐久性も高い。刃の交換頻度を抑えられるため、コストパフォーマンスも良い。
高性能のモーターと組み合わせることで、引きつり感なくスムーズな使い心地を実現する」
ラムダッシュの開発、製造は初代機から一貫して滋賀県にあるパナソニック彦根工場で行なっています。
「流出しては困る、匠の技術があるからです。ラムダッシュの刃は日本刀の製法を学び、同じ製法で作り上げている。
ラムダッシュの外刃の表面には1300個もの穴が空いています。これは独自の工法、技術があるからこそ実現するもの。海外の工場に生産を任せて、この技術が流出しては困る」
刃の表面に細かい穴を設けることで、肌に負担をかけることなく、素早いシェービングが可能になるといいます。
新モデルで特にこだわったのが2~3日伸ばした「アゴ下のくせヒゲ」を素早く剃り上げること。
「コロナ禍でステイホームが増えた分、シェービングの機会が減ったのは確か。一方で、伸びたヒゲというのは非常にシェービングが難しい。とくにアゴ下のヒゲというのは剃り残しが多い。
新たに採用した『アゴ下トリマー刃』は、アゴ下の長いくせヒゲも起こしてカットします」
従来の「インバウンド需要」が期待できなくなった今、パナソニックの美容家電製品は厳しい戦いを強いられています。今は、新しいやり方を模索している最中だそう。
「巣篭もり需要で、家にいながらにして使える理美容製品に注目が集まった。美顔器などのエステ製品やバリカンなどは二桁以上の伸びを記録した。
従来とは違う『新しい在宅文化』に対応できる製品を提案していきたい」