米国・シアトルでスタートする仕事と家庭を両立する忙しい親向けのサービスとは

コロナ禍で窮地に陥った家族の生活を立て直したい

溜まったto doリストをあなたの代わりに「Yoアシスタント」がこなしてくれる

地元に密着したサービス展開が必要

日本でのサービス開始はまだ先になりそう

パナソニックはワーキングマザーをメインターゲットとしたパーソナルアシスタントサービス「Yohana Membership」の提供を、9月9日より米国・シアトルでスタートしました。仕事と家庭を両立する忙しい親とその家族をサポートする新たな形態のサービスです
パナソニックは、子会社 Yohana. LLC(創業者兼CEO 松岡陽子、以下 Yohana)を通じて、米国・シアトルで、忙しい家族のサポートを行う新たなサービス「Yohana Membership」の提供を開始しました。
家のメンテナンス、子どもの習い事や課外活動、自分のための用事など、働く親が抱えるタスクを個別に実在する担当アシスタント「Yoアシスタント」にチャットで依頼すると、ユーザーの代わりにタスクをこなしてくれるというサービス。サービス料は月額149ドルで、タスクの数や時間などに制限はありません。
今回のサービスは自身も4児の母親であり、妻、高齢の親を持つ娘、そしてYohana. LLCのCEOとして仕事をする松岡陽子さんの経験が基になっています。今回、サービス開始にあたり合同取材に応じました。
「山ほどある仕事を今までは何とかこなしていました。それが、コロナ禍により、夫も私も、生活をまったくコントロールできなくなってしまいました。何百万人もの女性や家族も同じ経験をしています。
子供達の美容院の予約、習い事の予約だけでも誰かに頼めたらという思いでローンチしたサービスです」
今回のサービスの大きな特徴はユーザーとコミュニケーショを取る「Yoアシスタント」が実在する人であるということ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)で理学修士号と理学博士号を取得し、Google ヘルスケア部門の副社長、その前はネストの最高技術責任者(CTO)などを務めてきた松岡さんは、「 AI(人工知能)の最先端を知っているけど、AIではまだ不十分」だと話します。
「今回のサービスで重要なのは『家族の生活をよりよくする』というところ。
例えば、AIに『子供の喘息がひどくて困っている』と相談したら、病院を紹介してくれるかもしれない、薬を買って送ってくれるかもしれない。でもそれで終わりではない。
子供の喘息を改善させるためには、今住んでいる環境やベッドの素材、生活習慣までケアしなければならない。それはAIにはできない」
シアトルではすでに数ヶ月前からフィールドテストを実施、「Yoアシスタント」の他に、ユーザーから依頼があった際に実際に作業を行う「プロフェッショナル」とも契約を進めます。
今回のサービスで重要なポイントのひとつが地元のネットワークと密に提携することだと言います。
「地元で腕のいい業者さんとは、需要に応じて雇用関係も結んでいます。関係業種と提携することは今回のサービスのマネタイズのひとつとなっています」
実際松岡さんは「Yoアシスタント」にお願いして、自宅のガレージを改装してもらったそう。
「改装前にカビや白アリをチェックする業者を手配してくれたり、改装プランも予算に応じて複数提案してくれました」
日本でもニーズがありそうなサービスですが、日本での実施については現時点で未定。
「まずはスターティングポイントに立ったところ。米国では、新しいビジネスを始めるときになるべくターゲットを絞った方が成功率が高いとされている。今回はシアトルに住むミレニアル世代、共働き、中でも特にワーキングマザーにターゲットを絞っています。
このようなサービスをスタートアップの会社ではなく、パナソニックと一緒にやれたということは非常に意義のあることだと思っています」