おせっかいではなく「察する」これからの家電はどうなる?
おせっかいではなく「察する」ことで、日本人らしい心配りを再現。機器ではなくライフスタイルで提案するちょっと未来の生活
パナソニックは、9月6日〜11日までドイツ・ベルリンで開催された国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA2019」で、欧州で注力している製品や最新の技術を搭載したプロトタイプなどを展示した。

パナソニックのブースでは、3〜5年先、少し先の未来を示唆するような展示を毎年行っている。テーマは「察する」ということ。人の願望をシステムが察し、機器が提供する。
展示では、身体の外側をケアする「アウタービューティー」のコンセプトモデルを4つ、内側をケアする「インナービューティー」のモデルが2つ用意された。

ネックホルダーのような「TONE:ネックケア」は首に装着すると、その人の肌の状態にあわせてスチームや、赤色LEDが照射される。自身でのコントロールは一切不要で、機器側が最適な調整を自動で行う仕組みだ。
そのほか、頭皮の状態を把握して、発毛や育毛を促進するヘッドケアの製品、寝ながら美肌ケアができるスリープケアの製品などを展示する。

身体の中からケアする「インナービューティー」向け製品も
個人の身体の状態に合わせた最適な飲み物や食事を提案する「インナービューティー」のソリューションとしては、体調に合わせたスムージーが簡単に作れる「SHOT:ニュートリションケア」と、必要な栄養素を食材から効果的に引き出す「LIFT:フードケア」を提案していた。

日本人らしさで差別化を図る

ネットワークと接続した家電は数年前から大きなトレンドの1つであり、展示会会場でも多く見られるが、現実の生活には定着していないというのが現状だ。今回の展示では、従来のIoT家電とは一味違う、「日本人らしい心」を取り入れた。
パナソニックアプライアンス社技術本部副本部長の本橋良氏は「IoTやロボティックスという先端技術を駆使しながら、おせっかいではなく、その人の状態を『察する』ということに注力した。日本人らしい先読みする心、心配りというものを表現していくことで、従来のIoTとは違う差別化したサービスを展開できたら」と話す。日常生活を送りながら、気づかぬうちにきれいになっているような技術が理想だという。