「必要なのは生きる力」パナソニックが今、あえて”手作り”にこだわるワケ

    パナソニックが全く新しいプロジェクト「D+IO(ドゥーイングアイオー)」をスタート。「小動物の管理ツール」などニッチなニーズに対応した製品レシピを「GitHub(ギットハブ)」で公開している

    家電メーカーのパナソニックが、全く新しい取り組みをスタートさせた。

    「空気換気アラート」「小動物の管理ツール」など、生活必需品ではないけれど、あったら便利な製品の「つくりかた」をインターネットで無料公開しているのだ。

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    自分のためだけではなく「身近で大切な誰か」を考えて動く「Doing It Ourselves」という想いから、このプロジェクトは「D+IO(ドゥーイングアイオー)」と名付けられた。

    自分で作ることに意味がある

    実際の製品レシピはシンプルで簡素だ。制作に必要な部品は全て自分で購入しなければならないし、わからなくなった時のコールセンターなどもない。これは「自分で作る」ということに重きをおくからこそだという。

    「全ての部品が揃ったキットでは得られない体験をして欲しい。『自分で部品を買う』というところからが、ものづくりのスタートだと思っています。

    初めて電子工作を作る人にとっては、部品を買うことがハードルだったりします。各レシピには部品の購入先のリストを貼ってあるので、電子部品について何もわからなくても、買えるようになっています」

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    「初心者でも作れる」というのも大事なコンセプトの一つだ。パソコンに触ったことがあれば作れる程度の難度で、YouTubeには動画も用意した。

    小学生のSTEM教育にも役立つという。一方で知識がある人であればどんどん改良、アップデートできるような「遊び」も持たせている。

    「カスタマイズ、アップデートして自分なりの使い方ができる。それが自分でものを作ることの醍醐味でもあります。GitHubには、誰かがアップデートした情報を掲載する場所もあります。

    D+IO(ドゥーイングアイオー)を通してもの作りの楽しさを知ってほしい」

    ビジネスとして捉えていない

    川島さんは「今回のプロジェクトはビジネスとして捉えていない」と明言する。

    「D+IOのムーブメントが広がって、ユーザーから『今度はこういうものを作って欲しい』というアイディアが多く寄せられるようになって、それが次のプロジェクトの種になってくれれば嬉しい」