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授業のあいまは机に突っ伏して寝たふり。周囲の学生の楽しそうな会話にただ耳を澄ませる。クラスのLINEグループには招待されていないーー。
あれ、、それって自分のこと…?
そう思った人もいるのではないだろうか。パリピを恐れ、オタクを見下す、やたら自意識過剰な“ぼっち男子学生”を描くマンガ、『全員くたばれ!大学生』がいま話題になっている。

週刊SPA!での連載が好評で、7月には単行本1巻が発売された。そんな“青春地獄マンガ”の主人公は、大学入学後、5月をすぎてもいっこうに友達ができない男、亀田哲太。

自意識過剰だった大学時代、周りを敵だと思って過ごしてた
休み時間、机の木目を見ながらパリピの声を盗み聞きする姿に、おしゃれグループに近づこうとして麻雀ができると嘘をついたり、スタバでバイトしているフリをしたりする姿に……青春の只中にいる若者も、孤独を持て余す大人もつい共感してしまう。
それだけリアルに大学生活の鬱陶しさが描かれている。著者であるサレンダー橋本氏は「友達のいなかった大学時代を思い出し、奥歯を食いしばりながら描きました」と話す。

「ほとんどは自分の大学時代を思い出しながら、今の大学生を取材して組み合わせています。やっぱり自分も上手く馴染めていなかった。簡単にいえば自意識過剰だったんですけれど、周りを敵だと思って過ごしていましたね」


サレンダー橋本さんの作品は、どこかパッとしない人々に焦点が当てられている。デビュー作『恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。』は、タイトルどおりダメな人たちを描いた作品群。そして『働かざる者たち』では新聞社に巣食う“働かない人たち”の生態をつまびらかにした意欲作。
なぜここまでダメな人が描けるのかと聞いてみた。
「やっぱり自分自身がパッとしないし、そういう人が好きなんですよね。パッとしないというか、みっともないところとかセコいところ。そんな部分に人間らしさが出るのが愛おしいんです」
読者からの反応は、「自分かと思った」「自分をモデルにしてるんじゃないか?」といったものが多いという。
「漫画にしてみると、自分のぼっちエピソードは個性的でも何でもなかったことがわかる。皆やってるんですよね」。休み時間に寝たふりをして、周りの話を聞いたりしていたのはサレンダー橋本さん自身の体験だ。
低いところから見上げて、描いていきたい
今後も多数派というよりも「少数派」の生き方を描いていきたいという。
「立派なものとか、素晴らしいものは他の人がいっぱい描いているから、低いところから見上げたものを描きたいですね」
最後に全国のぼっち大学生にメッセージをもらった。
「僕も大学4年間は全然いいことがなかったですけれど、社会に出てなんとかやれているし、社会に出たら気が合うような人もいます。大学なんて本当に狭いコミュニティの中だけの話だから、4年間がんばって我慢してください」
