人類はまもなく「チャーシューまん」という奇跡を手にする

“史上最大の刷新”のその先へ。

    人類はまもなく「チャーシューまん」という奇跡を手にする

    “史上最大の刷新”のその先へ。

    「中華まん一筋……1年半でございます」

    ファミリーマートの担当者がそう自己紹介すると、試食会の場に笑い声が響き渡った。

    これから2018年度の中華まんが発表されるーー。張り詰めた記者たちの緊張が和らいだ瞬間だった。

    ファミリーマートは昨年、中華まんに「史上最大の刷新」(同社)を施した。

    刷新ポイントはもちろん生地と中身。生地は熟成発酵生地にこだわり、手で包んだような仕上がりを追求した。

    中身は肉の温度管理を徹底して旨味を閉じ込め、生地と中身のバランスは55:45という最適解にたどり着いた。これまでは肉の量が35〜40というのが一般的だったそうだ。

    こうした刷新の結果、ファミリーマートの中華まんは前年比で118%伸びた。

    中華まんは新規客よりも「また、あれ食べたいなあ」というお得意さんが多い商品だ。リピーターが順調に増え、リニューアルは成功した。

    事実、筆者もファミマのプレミアム肉まんは何度も何度も買って食べた。

    店頭にないときは店員に、「プレミアム肉まんはいつ蒸し上がるのか?」と直接聞き、出来上がるまでレジ前で待った。

    たまに大阪出張から帰ってきた同僚が買ってきてくれる“あの肉まん”よりも、近くのプレミアム肉まんを愛していた。

    それほどの完成度だった。

    プレミアム肉まんは当時のコンビニ中華まんの最高峰だったのではないかと記憶している。


    そして今年。


    冒頭の担当者は言い切った。

    「最高の中華まんを発売します」


    その目玉となるのが、この「プレミアムチャーシューまん」だ。

    半分にくぱぁってしたときの、この迫力。

    大幅刷新により底上げされた中華まんのクオリティから、さらに飛び抜けた存在を目指したという。

    生地の旨み、香りをより高める製造工程。具材は国産原料にこだわった。

    もはや肉そのものを食べてる感覚。

    チャーシューの香ばしさにしっかりとした下味がついて、ほのかに残るこの風味はアルペンザルツ岩塩だろうか。

    迫力がありながらも統率のとれた味わいだ。

    そしてとにかく具が大きい。1つ食べたときの満足度をこれほどまでに感じられる中華まんが、これまでコンビニにあっただろうか。

    あったとすれば、それはやはりファミリーマートの「トンポーローまん」だろう。角煮ごろごろのあれも美味しかった。

    プレミアムチャーシューまんは235円。少々値は張るが、ご褒美的な中華まんだ。

    ファミリーマートの担当者はこう語る。

    「毎日食べるような商品じゃないけど、ビールでいったらプレミアム・モルツみたいな感覚で楽しんでほしい」

    たしかに値段はプレモル350ml缶と同じくらいだ。

    9月25日発売。きっと行列ができるだろう。


    あり得ないくらいチーズが伸びるピザまん

    そして「チーズたっぷり熟成生地のピザまん」も相当やばい。

    130円とは思えないチーズの伸びである。

    どこまで伸びるのか。ぐいっと引っ張ってみる。

    全然切れない。どんどん伸びていく。

    片手でチーズを伸ばして、片手にカメラの体勢はなかなかきつい。手がぷるぷるしてきた。

    ピザまんのチーズがここまで伸びるのは配合に秘密があるという。

    モッツァレラとゴーダを、より伸びるような割合で配合しているそうだ。

    それにしてもすごい。

    コクのあるゴーダチーズに加え、伸びの良いモッツァレラチーズを使用することで、ピザまんの醍醐味であるチーズの伸びを最大化した。

    フレッシュ感のあるトマトソースの酸味もアクセントとなり、ローストベーコンの旨味と相まって、ソースに深みがもたらされている。

    このピザまんが130円というのが恐ろしい。

    すでに発売している。いまファミリーマートに行けばこれが手に入るのだ。


    香ばしい焼きの食感を楽しみたい包子

    変わり種がこの「焼き包子(パオズ) クワトローチーズ」だ。

    新基軸の“焼いた”中華まんである。

    これまでの中華まんにはないこんがりとした焼き目と、もっちりとした食感が特徴。

    生地には全粒粉とライ麦を配合し、野性味のある香ばしさと風味を感じられる仕上がりになっている。

    中身は4種のチーズをたっぷり入れたクワトロチーズ。

    カマンベール、ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、そしてパルミジャーノレジャーノ。

    チーズ本来の甘みと酸味と豊かさを楽しめる。

    クワトロチーズはおやつに1つ食べたいような中華まんだ。

    今後はハッシュドビーフ、グラタンなど、従来の中華まんでは出せないような中身で展開していくという。


    ファミ横中華街こそがこれからの中華街

    そしてこちらが定番の「熟成生地の本格肉まん」。いわゆるレギュラーの肉まんだ。

    しかし侮ってはいけない。

    ファミリーマートが高らかに宣言した「最高の中華まん」にふさわしい仕上がりだ。

    発酵工程の温度管理を見直すことで、昨年よりふっくらした食感と口どけの良い生地になっている。

    食べごたえも格段に増した。ダイスカットされた豚肉のごろごろ感が半端ないのだ。

    これも130円だっていうからすごい。

    「小腹が減ったな〜」っていう気分でコンビニに行ったときに何を買うかは人それぞれだろう。

    おにぎり、サンドイッチ、スイーツ、あるいは1本満足バー。

    いろんな選択肢があるが、中華まんはそこの筆頭ではないか。


    ファミリーマートはこれらの中華まんを、「ファミ横中華街」と名付けて展開している。

    正直、ファミマがあれば中華街いらなくね?って思った。

    中華街、遠いし。

    ファミマの中華まん、美味しいし。