「エンジニアとして採用されたのに、ニコニコ超会議で焼きそばを作らされた」と告発する元ドワンゴ社員のブログを覚えているだろうか。2015年9月、この元社員はドワンゴを退職した理由として、給与面や開発環境に対する不満とともに、焼きそばを作らされたことが不本意だったと訴えた。
ネットではなぜか「焼きそば」の部分が大きな話題となり、「ドワンゴ=焼きそば」というイメージが(一部の間で)定着することとなる。そんなドワンゴが、このほど開催したニコニコ超会議2016では、なんと自ら「エンジニアが焼きそばを作るブース」を出店した。
しかも大人気。

BuzzFeedは「やきそばディレクター」としてフードコートを取り仕切っていたエンジニアに話を聞いた。

「焼きたかったのに…」抽選に漏れたエンジニアも
ーードワンゴは昨年、焼きそば絡みで炎上したばかり。なぜ今回、自ら焼きそばを焼くことになったのですか。
もともとエンジニアからやりたいという声があがっていました。この焼きそばチームはすべて志願者で構成されています。

いま11人のエンジニアが焼いているんですが、希望者は40人近くいました。抽選に漏れてしまった人もいる。「なんで焼かせてくれないんだ!」と激怒されるくらい希望者が多かったんです。
ーー40人も。なんで、そんなに希望者がいたんでしょう。
みんな、焼きたかったんでしょうね。私はもともと食べ物系の仕事が好きで、大学時代も飲食店で働いていました。今回はこの企画全体の設計をして、他のエンジニアに現場を手伝ってもらっています。

ーーすごい行列で、大人気のようですが、感想は。
うれしいです! このメニューはニコニコ動画、静画、生放送の3つのエンジニアチームがそれぞれ味を考案しました。ベースになるソースは料理研究会というエンジニアの料理サークルが考えたものです。

別のやきそばディレクターさんにも話を聞いた。
ーー昨年、焼きそばで炎上したときはエンジニアの待遇が悪いという声もありましたが。

エンジニアの待遇はめちゃくちゃいいですよ。給料もいいと思います。あのブログが炎上したのは、別にエンジニアの待遇が悪いからではなくて、「エンジニアとして雇った人間に焼きそばを焼かせるのは、本来の業務から逸脱しているのではないか?」っていう話があったからです。
彼があのブログで書いたことは、超会議の1回目のことだったんですね。たしかに1回目はまだ超会議のオペレーションがまったくグダグダで、うまくできてなかったんですよ。
そのときはエンジニアに限らず全社員が勝手にブースに割り振られる状況で、不本意ながらフードコートで焼きそばを焼く仕事についた人もいたと思います。
でも2回目、3回目以降は社員のほうから「このブースがいいです」っていう希望が出せて、全員が第一希望にはなるわけではないですが、第三希望くらいまでの中から選ばれる感じになっています。オペレーションはだいぶ改善したと思います。
「喜んで焼いている姿をみんなに見せたい」
ーーなるほど。mesoさんが今回、焼きそばを希望された理由はなんですか。
もともとこの企画自体、あのブログがきっかけでした。実際にあの時期にエンジニアがけっこう退職していたんですね。そういう人たちの中には超会議がイヤで辞めた人もいたかもしれないですけど、いまいるエンジニアは僕も含めて、超会議に楽しんで参加しているんだよっていうのをみんなに知ってほしい。

社外の人にも、ドワンゴのエンジニアって超会議にいやいや参加してるんじゃなくて、けっこう楽しんで参加してるんだっていうところを見せたいんです。それが一番わかりやすいように、焼きそばを喜んで焼いている姿をみんなに見せようと思って参加しました。
ーーたくさん来ているお客さんにメッセージを。
ぜひ楽しんでいってください。できれば三種類全部食べてほしいですね(笑)。焼きそばのレシピ、ソースのレシピはオープンソースとしてすべて公開しているので、そちらも見ていただければと思っています。
ニコニコ超会議は4月29日、30日の日程で開催中。気になる焼きそばの味は別の記事でレポートする。