
「はい、いまもよく食べますよ」
「たぶんみんな好きだと思います」
新潟県在住の友人に「もも太郎って知ってる?」と聞いて回ると、こんな答えが返ってくる。
県内ではほぼ100%に近い認知度と愛され度を誇りながら、県外ではまったくと言っていいほど知られていない存在、「もも太郎」。
このアイスのことだ。

新潟県であればコンビニからスーパーまであらゆるところで売っている。
価格は1本60円(税別)。子どものおやつとして長く愛されてきた。
新潟県では「アイス=もも太郎」らしい。でもけっこう謎が多い食べものだと思う。

謎その1、原材料はりんご果汁

名前がもも太郎で、色は鮮やかなピンク色。
誰もが「桃」を想像するところだが、なんと原材料は「りんご」である。
謎その2、食べてみると「りんご味」ではない?

何を言っているかわからないと思うが、そうとしか言いようがない。

これはたぶんりんご味はではないし、ましてや「桃味」でもない。
甘くて美味しいんだけど、何味か?って言われるとよくわからない……。

外側はツルンっとしたアイスキャンディーのようで、中のほうは氷のザクザク食感が大粒で残り、とても爽やか。
甘みは強いが、べっとりとした感じはない。
これはなんだろう。例えるなら、いちご味のかき氷に近いだろうか。
最後にいちごシロップが器の中に残り、いい感じに味が濃くになってるのを楽しんでいるときの美味しさだ。
このアイス、やっぱりうまい。

めちゃくちゃうまいんだけど、じゃあ何味なんだ?

我々はその謎を解き明かすために、


もも太郎の製造元である株式会社セイヒョーに聞いてみた。

「社内には『もも太郎味』と呼んでいる者もおります」
答えてくれたのは、セイヒョー管理部の阿部千晶さん。
ーー食べてみたところ、爽やかで甘い味でした。かき氷のいちごにも近いように感じました。もも太郎は何味なのでしょうか。
阿部さん:ずばり「いちご味」です。社内には「もも太郎味」と呼んでいる者もおります。
ーーやっぱりいちご味! 素朴でやさしい美味しさで癖になるような味ですね。どんなこだわりがあるのでしょうか。
阿部さん:昔からの懐かしい味わいは保ちながら、時代に合わせて改良を重ねています。現在の配合には、さっぱりとした味わいを出すために「りんご果汁」を使用しています。
また、弊社は氷づくりからスタートした会社ですので、自慢の氷を味わっていただくため、ザクザクとした氷粒の食感を楽しめるように仕上げています。
ーー氷づくりの会社だから「セイヒョー」(製氷)なんですね。もも太郎はそもそもどういった経緯で作られたんですか。
阿部さん:昔、祭りなどの出店で売られていた「桃型」と呼ばれる氷菓子が由来となっています。
「桃型」は、桃の形をした木型に砕いた氷を詰め、シロップをかけ、割り箸を刺したものでした。これを製品化したものが「もも太郎」の始まりです。
ーー新潟の人はみんなもも太郎が好きだと思います。愛され続ける理由はなんでしょうか。
阿部さん:地元新潟の皆様の応援に応えられるよう、まじめに製品づくりを続けてきた結果であるともいます。
ーー新潟県内でしか買えないレアなアイスですし。
阿部さん:新潟県内が主な販売場所となっておりますが、実は東京・表参道の「新潟館ネスパス」でもお取り扱いしております。
また、弊社ECサイト「セイヒョーWeb-Shop」からもご注文いただけます。
はい、そうなんです。なんと表参道で買えます。

新潟館ネスパスのアイスケースには「もも太郎」がどっさり!

東京でも買えるんだ…!(新潟館ネスパスではドライアイスなどの用意はないため、購入後の持ち歩きなどは難しいそうです。ご自身で用意するか買ってすぐ食べましょう)

もも太郎はどこで食べてもシャリシャリで美味しい。
新潟出身の方も、もも太郎を知らない方も、表参道ヒルズの裏手にある「新潟館・ネスパス」は要チェックです。
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