『1分で話せ』という本が売れているらしい。
著者の伊藤羊一氏はヤフー社内の人材育成機関Yahoo!アカデミア学長を務めており、年間300人以上のプレゼンを指導する「伝え方」の達人として知られている。その独特のメソッドがこの本には詰まっているという。

さて、この本を見たときに誰もが思うのは、「この著者も当然1分で話せるんだよな?」ではないだろうか。
書いた本人はさぞかし1分で話すのが上手いんだろうなあ。ならば1分で話してもらおうじゃねえか、と。
そんな裏テーマをもって伊藤羊一さんにインタビューを申し込んだところ、結果はあっさりOKだった。
戸惑いながら取材当日、指定された会議室に行ってみると。

なるほど、思ったより怖い。

あまり冗談は通じなさそうだ。
でもここまできたら、ストップウォッチを用意してと。

--今日はお時間をいただき、ありがとうございます。「1分で話せ」という本で言いたいことはざっくりどんなことなのか…。1分で話してもらえますか。
伊藤:はい。この本はもともと、僕が10年くらいかけていろんな人のプレゼンの稽古をしてきた、そのノウハウを蓄積したものなんですね。
だから、自分が喋ったというより、自分が稽古してきたノウハウですね。それを蓄積している。
実はこの本って、あれだけの厚さがあるんですけれど、そこに書いてある内容は帯に全部書いてありまして。

「結論」と「根拠」と「たとえば」で、相手の左脳と右脳を動かす。
もう、これが全てなんです。

だとしたら、もう読まなくてもいいんじゃないかというツッコミが入りながら、それも含めて面白かったら読んでみてくださいね、という。そんな感じですね。

--まだ15秒あります。
伊藤:15秒ありますか。今その本の内容が特にプロフェッショナルの方々に受けています。
プロフェッショナルというのは、俳優とか、コピーライターとか、放送作家とか他分野に渡りますね。
なので内容はとても良いものだと自信を持っています。

--ぴったり1分。さすが著者。
伊藤:この本を出して以来、「ちょっと1分でしゃべってみろよw」っていじられるんですよ。正直、僕が自分で話すのはそんなに得意じゃなかったんですが、上手くなったかもしれませんね。
編集後記:1分で話してもらうと著者インタビューもとても楽なことがわかった。記事を書くのも10分くらいで終わるし、「1分で話せ」には大いに賛同したい。
伊藤羊一さん、突然の無茶振りに応えていただき、ありがとうございました。
