「見知らぬ人と密室で2人きり」最新の恋愛実験に挑戦してみた
こんな面白い実験があるなんて!
毎年開催されるニコニコ動画のイベント「ニコニコ超会議」。今年はこんなブースを発見してしまいました。
その名も……
「石黒研究室の恋愛実験神社」

まず興味深いのは "恋愛実験" という言葉。
ホームページを見ると「”タッチパネル式選択会話ソリューションを用いたお友達から始める恋愛実験” を行います」と説明があります。
どうやら、実験内容はこんな感じらしい。

①男女1対1(面識の無い超会議来場客)が個室に入り、向かい合って座る。

②自由な会話は禁止。タッチパネルに毎回表示される2択の言葉から選択し発話、トークラリーをする。

③終了後、おともだちから始めても良いと思ったら先に進む、もしくは戻る。
④感想トークをする。
つまり「見知らぬ異性といきなり指示された通りに強制的な会話をして、カップルになれるのか?」を検証する実験なのです!

ちなみに、全参加者の実験の様子は、ニコニコ生放送で中継され、視聴者は中継を見ながら自由にコメントできるようになっています。
せっかくなので、実際に参加してみることにしました。

はたして、「恋人いない暦=年齢」の私でも、無理やり会話すれば、カップル成立するのでしょうか?
個室に入り、まずは着席します。

個室の中にはしきりがあり、相手の方と向かいあって座るようになっています。まるで面会室です。ちなみに、ここに入るまで、自分の相手がどんな人なのかはまったくわかりません。
ヘッドフォンとマイクをつけて、タッチパネルに出てきた2つのセリフのうち、自分の好きな方を選択し、強制的におしゃべりします。

自由会話は一切禁止。指示された通りに会話が始まります。会話のシチュエーション設定はランダムで決まるようです。

相手の男性が「で、進路はどうするんですか?」
と、いきなりしゃべり出すので、何事かと思いましたが、私の目の前のタッチパネルには「地下アイドルになりたいです」と「占い師になりたいです」という2通りのセリフが。
どうやら「教師と生徒の進路相談」という設定らしいです。
2つのセリフから好きな方のセリフを選びます。

私
「占い師になりたいです」
↓
男性
「なんでそう思ったの?」
↓
選択肢
「なんか楽そうだし……」
「人気者になれそうだし……」
私「人気者になれそうだし……」
↓
男性
「お前、大学に行きたいって言ってなかったっけ?」
強制的に言わされていると言えども、急に「お前」と呼ばれ、ドキッとしてしまう私。
その後も、非現実的な会話が進みます。

選択肢
「先生、私のこと何もわかってない!」
「先生、私のこと、そんな目で見ていたんですか?」
私「先生、私のこと、そんな目で見ていたんですか?」
↓
男性
「そんな目って、どんな目だよ」
↓
選択肢
「進路とか、まじ、どうでもいいんですけど」
「うける!先生やめて、芸人目指します?」
私「うける!先生やめて、芸人目指します?」
↓
男性
「俺の進路はどうでもいいんだよ」
まるでマンガみたいな恋愛シチュエーションの会話に、ついついニヤニヤしてしまいます。

セリフがポンポン出てくるので、会話がつまることはないです。相手の男性もだんだん楽しくなってきたように見えます。
3分くらいで会話は終了。いよいよジャッジの時間です。

相手のことが気に入れば、扉を開けて進み、相手のことが気に入らなかったら、戻って帰ります。
もちろん私はこのお方とカップルになりたいので、先に進むことにしました。
扉を開けると……彼の姿はありません。

このまま、この扉を開けて彼が現れなかった場合、私はフラれたことになります。
彼は現れません……。

ああ、私はこうやってフラれていくんだな……と諦めかけたその時!


♪ エンダアアアアアアアアアアアアアアアイヤァアアアアアアアアアアアアアアアア〜
彼が現れました!
思わず嬉しくて笑顔が溢れる私。
しかも、カップル成立するとバックミュージックで、ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」が流れます。
カップルになったペアは、そのまま花道を進んでインタビュースペースに向かいます。

この様子も生放送で配信されているため、とっても恥ずかしい気持ちになりました。
私たちは手を繋がなかったのですが、他のカップルの様子を見ると、この花道を手をつないで歩く人たちもいました。
初対面なのにも関わらずです。恐るべし、恋愛実験。
それにしてもこんなにも簡単にカップルになれるんですね!

カップルになった人たちは、視聴者のコメントを見ながらインタビューに答えます。
終了後、私とカップルになってくれた優しい彼に感想を聞きました。

いろいろ聞いてみると、まだ22歳の学生さんだそうです。
——最初、私を見た時どんな気持ちでした?
カメラを構えてあわられたのでびっくりしました(笑)
※取材のために特別に許可を得て、カメラ撮影しながら挑戦していました。
——こういう出会いってどう思いますか?
全然アリだと思います。
彼と一緒にこの実験を受けたことによって、人見知りの私も、彼と喋ることに緊張しませんでした。
実はこの「石黒研究室の恋愛実験神社」は、マツコロイドなどを作った大阪大学の石黒研究室の研究の一環でもあります。
タッチパネルで強制的な会話、自由発話が一切ない会話をすることによって初対面での互いの関係を急激に深めることができます。それを恋愛に応用することができないかということで始まったのが、この実験なのです!
きっとこの企画で、本当にカップルになった人たちがいるのではないでしょうか。
一方、私は彼とバイバイしたあとに気がついたことがあります。

「連絡先、聞きそびれた……」