「エステ脱毛」と「医療機関脱毛」の見分け、つきますか?なくならない脱毛施術による被害

    意外にも多い、脱毛施術による被害。

    なくならない脱毛施術による被害

    独立行政法人 国民生活センターは、2012年度以降の約5年間に、脱毛施術により危害を受けたという相談が964件寄せられていることを発表しました。

    危害事例の内訳は、エステで受けた脱毛によるものが680件、医療機関で受けた脱毛によるものが284件。危害の内容は、エステ脱毛、医療機関脱毛ともに「皮膚障害」「熱傷」が多くみられました。

    具体的な危害事例として、エステ脱毛では「肛門周りの光脱毛でやけどを負い、完治まで1年以上かかることもあると言われた」、医療機関脱毛では「美容外科でひざ下のレーザー脱毛を受けたらやけどのように腫れ、色素沈着が残った」などの危害が報告されています。

    また、同センターで実施したインターネットアンケート調査では、回答者の約4分の1が、脱毛を受けた後にやけど、痛み、ヒリヒリ感などの身体症状が生じた経験がありました。

    しかし、脱毛を受けてやけど等の症状が生じた人のうち7割以上は、事前にリスクに関する説明を受けていませんでした。

    国民生活センター「脱毛を受ける前に、十分な情報収集を」

    このような危害の相談を受けて、国民生活センターは「エステで受けることのできる脱毛と医療機関で受けることのできる脱毛の違いをよく理解しましょう」とコメントしています。

    エステ脱毛と医療機関脱毛の違いについては「医療機関では、レーザー等により毛の発生源を破壊する等、高い効果が得られる脱毛を受けることができます。皮膚内部の組織を破壊する行為ですので、やけど等の皮膚トラブルが起きるおそれもありますが、トラブルが起きた際も直ちに医師の診察を受けることができます。一方、エステでは、光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術しか行うことができません」と説明しています。

    また、脱毛を受ける場合の注意点として「ホームページや広告の情報をうのみにせず、自ら十分な情報収集を行うとともに、施術前にリスク等に関する説明を十分に求めましょう。脱毛により危害を受けた場合は、速やかに医療機関を受診するとともに、消費生活センター等に相談しましょう」とアドバイスしています。