北海道の国営公園の森で発見されたベニテングタケ。人間が食べると腹痛、おう吐、下痢、けいれんなどの症状が現れ、まれに死に至ることもあるそうです。
美しくも毒があるこのキノコがある日食べられてしまいました。監視カメラを設置し映像を確認すると、そこには「犯人」の姿が! しかも単独犯ではなかったんです……!?
このベニテングタケをめぐる一連の投稿が注目を集めています。
公園内で発見されたベニテングタケ
札幌市南区にある「国営滝野すずらん丘陵公園」。滝野の森ゾーンと呼ばれる自然豊かな場所では、人と自然の共生をコンセプトに多様な植物や生きものを楽しむことができるとのこと。
そんな滝の森ゾーンの魅力を発信しているstaffアカウント(@takinonomori)がX(旧Twitter)に投稿した、森に生えたベニテングタケ。
赤と白の配色に丸めのフォルムという、まるで絵本の世界に出てくるような見た目をしています。
投稿者さんは10月9日、「ついにベニテングタケを発見!」と、園内で見つけられた喜びを報告していました。
食べられたベニテングタケ!
後日、改めてベニテングタケを見に行ったという投稿者さん。
しかしそこで事件発生!
「何者かに食べられてしまいました」として10日に投稿された画像には、房(ふさ)の一部がかじられたベニテングタケのかわいそう(?)な姿が。
一体誰が……!?
真相を探るべく、投稿者さんの犯人探しが始まりました。
監視カメラを仕掛けている最中も、数日足らずでどんどん食べられていくベニテングタケ。
ついに犯人を発見!
設置したカメラを確認した結果、犯人は……エゾリス!!
園路の横に生えたベニテングタケをむさぼるように食べる様子がしっかりと映っていました!
犯行現場とは思えないほど堂々とおいしそうに食べるエゾリスに、投稿者さんも「いい絵が撮れました」と満足の様子で11日に映像を投稿しました。
そもそも、毒キノコとして有名なベニテングタケは、エゾリスが食べても大丈夫なんでしょうか?
ニホンリスは日常的にベニテングタケなどの毒キノコを食べていることが神戸大学大学院の末次健司教授の研究で判明しています。このことから、近縁種のエゾリスも同じように毒キノコを食べても平気な可能性があると日テレNEWSでは報じています。
末次教授自身も11日、今回投稿された動画を引用しつつ「リス側は食べ物として利用し、テングタケ属側はリスに胞子を運んでもらうという助け合いが起こっていると考えられます」と投稿。「いずれにしてもこの動画も貴重なシーンだと思います!素晴らしいですね」と称賛しました。
SNSでの反応は?
投稿には、
💬「貴重な動画をありがとうございます!」
💬「可愛い〜🐿️めちゃメルヘン〜✨💕✨」
💬「自分とほぼ同じ大きさの食べ物、かぶりつきたいですわ😆」
💬「エゾリス『3時のおやつはベニテングタケよ~』」
など、多くのコメントが寄せられました。
事件はまだ終わりではなかった……!?
後日監視カメラを確認すると、なにやら夜に不審な動きをする生きものが……。
そこに映っていたのは、ベニテングタケを食べるエゾシカの姿!
エゾリスが食べ残した柄の部分を、大きな体のエゾシカがモサモサと食べていました。
そして残しておいたベニテングタケを求めて、エゾリスがやってきました。
しかし、エゾシカにすべて食べられてしまったため、そこにはもうベニテングタケの姿はありません……。
エゾリスは「あれ?なくなってる?」とでも言うように、なくなったベニテングタケを探し回っていました。
楽しみに残しておいた好物を誰かに食べられてしまった……! ということでしょうか。コミカルでちょっぴり切ない展開で幕を閉じた、ベニテングタケとエゾリスの物語でした。
ベニテングタケは人間には害を及ぼす毒キノコ! エゾリスやエゾシカの真似をして食べないようにしてくださいね!
協力:国営滝野すずらん丘陵公園
※都市公園法により園内の植物や生きものの持ち帰りは禁止となっております。