「冗談と思ったらマジのやつだった」「プロの仕事ですねこれは…」みずほが研究発表した『電車で座るため』の資料がガチすぎて怖い…!

    山手線内に広告として仕掛けられた、電車の中で座るための提案書。3つの戦略を状況に応じて使いわければ座れるそうです。読んでるだけで、座れるような気がしてくる!

    疲れているんだから、せめて電車の中で座りたい……! そんな悩みを解決するために、 みずほリサーチ&テクノロジーズが制作した広告用資料「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」が、あまりにも本気過ぎると話題になっています。

    電車にご乗車中の皆さまへ。
    みずほリサーチ&テクノロジーズからご提案です。https://t.co/hmxFQMGjB1#解決する頭脳 pic.twitter.com/KbzJ6PM3vs

    — みずほリサーチ&テクノロジーズ (@mizuho_rt) March 18, 2024
    Twitter: @mizuho_rt

    「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」とは?

    広告を作成したのは、みずほフィナンシャルグループの企業の一つで、リサーチやコンサルティングなどを行なう、みずほリサーチ&テクノロジーズ

    山手線の1車両に掲示されるトレインジャック広告として作成されたものですが、その内容があまりにも本気! 全94ぺージにわたる提案書で、「電車の中で座るための戦略」が懇切丁寧に書かれています。きゅ、94ページ……!?

    資料9ページ 電車移動の背景

    資料は、「背景と目的」「『電車の中で座る』を巡る現状分析」「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」の3項目で構成されています。

    1つ目の背景と目的では、電車移動が定着した社会的背景などのデータをグラフで解説。もう、この時点で興味深い資料です。一見するとバカバカしいことでも、大人が本気で分析するとこうなるのか……! 夢中で読み進めてしまう面白さです。

    「電車の中で座りたい」ことに対する現状分析まで!

    2つ目の項目である現状分析では、アンケートの結果から年代別にグラフを作成。電車の中で「座りたい」と感じる傾向の分析などが行なわれています。

    「各年代で座りたい人が大多数を占めている」という結果でしたが、興味深いのはその理由です。

    上位2位の理由として上がっているものとして、20代は「読書」、40代は「仕事」と年代ごとに違いが存在。しかし1位の理由は……どの性別、年代でも「睡眠をとる」ことでした。皆さんお疲れですね……。

    資料11ページ 座りたい現状分析

    3つの戦略を、状況に応じて使いわければ座れる……?

    3つ目の項目では、とうとう電車で座るために必要な戦略を紹介。

    出発前や乗車前に、空いている電車(車両)や時間帯を選択する「ブルーオーシャン戦略」。

    乗車中や乗車後に、降車しそうな乗客を見分ける「鳥・虫・魚・コウモリの目戦略」。

    乗車中、空いた座席に素早くかつ安全に移動するための工夫や、降車後でも今後は着実に席に座れるようになるためにできることを考える「ファーストペンギン戦略」。この3つの戦略を提示しています。

    どこに座るべきかわかる「ブルーオーシャン戦略」

    33ページ ブルーオーシャン戦略

    「ブルーオーシャン戦略」とは、事前に計画を立てて競争が激しい場所を避け、新たな市場を開拓する戦略。目的のためには、あえてその市場を回避して自分の利便性を追求します。要は「電車で混んでいない時間帯や場所を探す」方法ですね。

    どの時間帯や曜日なら座りやすいか。どの位置が良いのか、データをもとに算出した結果、時差出勤や休日出勤の方が座りやすいとのことでした。でも、それが選べたら苦労はしないような……?

    乗客の特徴から降車前の行動を把握する「鳥・虫・魚・コウモリの目戦略」

    66ページ 鳥・虫・魚・コウモリの目戦略

    「鳥・虫・魚・コウモリの目戦略」は、

    ・鳥の目のように「上空から全体の状況を眺める」視点
    ・虫の目のように「細かい変化を注意深く観察する」視点
    ・魚の目のように「物事の変化を捉える」視点
    ・コウモリの目のように「相手側の立場から物事を見て多角的に状況を把握する」ための視点

    ――を持つ戦略を指します。 

    ざっくり説明すると、「全体を見て降りそうな人をよく観察しましょう」ということですね。

    「スマホや本をしまう」「深く座っていたのを浅く座りなおす」などを目ざとくチェックすることで、降りそうな人を事前に把握せよとのことです。

    所持品から精神面までの工夫が書かれた「ファーストペンギン戦略」

    76ページ ファーストペンギン

    「ファーストペンギン戦略」は、

    ・誰よりも率先して新しいものを取り入れる「先駆性」
    ・環境の変化などに対してすぐに対応する「迅速性」
    ・リスクを取りながらも、継続的な利益の獲得を狙う「積極性」。
    ・失敗から学んだことを生かしてノウハウを積み上げる「漸進性(ぜんしんせい)」

    ――の4つで構成された戦略です。

    席が空いても素早く座れないと無意味。席に座るためには、「所持品での工夫」「自分の基礎体力」「行動面の工夫」「精神面の工夫」の4つを取り入れる必要があるとのこと。

    一例としては、周りの人と比べて自分の体力や俊敏性に自信があるなら大きなエリアを狙う。ないなら対象を絞り込むといったことです。車両の全体を狙うか、あの席に座りたいと決め打ちするかどうか……戦略性が求められます。

    そのために、素早く動ける服装や、座るために鍛えるべき目の筋肉。すぐに座れる状態へ移るための行動面の工夫、リラックスするといった精神面の工夫など、席が空いたときに素早く座るためのプランが提示されています。

    そしてなぜか、実際に目の筋肉をトレーニングするページも用意されていました。なんの資料だったかなこれ……?

    トレインジャック広告として山手線内に掲載中

    大人の分析力と調査力で作り上げられた「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」。全部で94ページという長さですが、とても読みやすく工夫が凝らされていました。実際に役立ちそうですし、遊び心も詰まった資料です。

    真面目に分析しているからこそツッコミどころになる部分も含めて、プレゼンの資料としても参考になりそうな、本格的なドキュメントになっています。

    SNSでは、

    💬 「冗談と思ったらマジのやつだった……」
    💬 「採用PRの一環なんですね」
    💬 「馬鹿げたことを大真面目に語るシリーズ、今後も期待してる」
    💬 「テーマと媒体がマッチしてて、コミュニケーション設計としてめちゃ緻密。プロの仕事ですねこれは……」

    など、レポート自体の完成度に感心する声や、実際に試してみたいという反応が寄せられていました。

    今回の資料は、公式サイトでPDFファイルが公開されており、また2024年3月16日(土)から3月30日(土)まで、JR山手線の1編成を使ったトレインジャック広告として掲載。

    また、3月18日(月)から3月31日(日)にかけて、東京駅および品川駅の屋内広告でも掲載されます。