ホームレスの男性、困っている女性にお金を渡す。そして二人は結婚した

    縁とは異なもの。

    結婚式で、口づけを交わすふたり。 英ブリストルの路上でホームレスだった新郎のジャックは2013年、通りかかったトニに出会い、お金を無心した。

    しかし、トニも、電気代が払えないくらいお金に困っていた。電気代のことで悩んでいたトニは、その場で泣き出してしまい、逆にジャックの方が、彼女に50ペンス(約80円)を渡すことになった。

    「トニはクリスマスに明かりを灯すお金さえ持っていなかった。それで私は電気代のためにお金をあげたんです」と、ジャックはBBCに語った。

    しばらくして、ジャックは雑誌「ビッグイシュー」の路上販売人になった。トニは彼が雑誌を売っている場所を定期的に通るようになり、二人は友情を育んだ。

    「彼女が通りかかるようになって、私たち何週間かに一度か、話すようになりました。最初はたわいもない会話でしたが、徐々にいろいろ話すようになり、親しくなりました」と、「ブリストル・ポスト」にジャックは語った。

    ある時トニは、ジャックがいつも寝ていた場所に入れなくなり、路上で寝るはめになったことを知った。彼女は、ジャックに自分の家の空いている部屋を提供した。

    「彼女と一緒に住むようになってから、お互い好意を持つようになりました」とジャック。

    去年の11月、二人は婚約した。

    「ガレージに住んでいるような人間に恋愛感情を抱いてくれるなんて、考えもしませんでした。全てが変わったんです」とジャックは語っている。

    このカップルは、結婚式をできるだけ安くしようと考えていた。しかし、地元の企業や、友人たちの支援のおかげで、彼らが夢見ていた結婚式をあげることができた。

    地元の美容室だけでなく、写真家やビデオ撮影者も、無料でサービスを提供した。酒店は祝杯用のシャンパンを寄付した。

    「トニがウェディングドレスを着れるようにと、お金を寄付してくれた人もいました。通りのパブで知り合いになった人が、ちょうど私と同じ体格で、アルマーニのスーツを持っていました。親切にしてくれて、私に貸してくれたんです」とジャックは「ビッグイシュー」に語った。

    二人は登記所で結婚しようと思っていたが、ジャックが出会った教区牧師のおかげで、教会で式を挙げた。

    ジャックは、多くの人の助けが、彼らの結婚式を「想像もできなかった夢のようなもの」に変えたと話す。

    「最愛の人にふさわしい結婚式をプレゼントしたいと思っていましたが、私にはできませんでした。出会った人たちの親切のおかげで、今、実現できたんです」と、彼はBBCに語った。

    「ビッグ・イシュー」の広報担当者は「良い知らせがあったことを、嬉しく思っています」と話した。