実は“砂”じゃないってホント…!? 健康にも甚大な被害をもたらす「黄砂」に植林が逆効果なワケ

    黄砂はどこから飛来する? 症状が出るのは呼吸器や循環器だけじゃない? 黄砂発生の対策は? そんな気になる黄砂問題について学べてタメになる情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)が5月27日に放送された。

    コロナ禍もようやく落ち着き、マスクも外せるようになってきた矢先、今度は日本各地で黄砂を観測! 中国では10年ぶりとなる異例の濃度を記録し、大気汚染は最悪レベルに…。健康や環境に悪影響を与えると言われる黄砂について、あなたはどれだけ知っている?

    黄砂には「砂」という漢字が使われているが、実際は砂ではないのだそう。砂1粒の大きさが2000~74マイクロメートルなのに対し、黄砂は約4マイクロメートルと非常に小さい。砂(サンド)ではなく塵(ダスト)のようなもので、海外では「アジアンダスト」「ミネラルダスト」などと呼ばれている。

    発生源は、中国の乾燥・半乾燥地域。中国の環境問題に詳しい大学教授・深尾葉子氏は、30年にわたってこの黄砂の発生源を調査している。

    深尾氏いわく、もともと黄砂は土の粒のようなもので、空気中を移動する際に金属物質(カドミウム、ニッケル)、光化学スモッグ、花粉、カビ、LPS(毒素成分)などが付着するという。

    近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科の佐野博幸教授によると、それらは目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、ぜんそく、咳といった症状を引き起こす原因になっており、なんと脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを高めるという研究報告もあるという。

    ちなみに黄砂や砂漠化対策として有名な植林事業は、深尾氏いわく逆効果なのだそう。乾燥地に植林すると、樹木はその土地の元々少ない水を吸い上げるため、余計に乾燥が進んでしまうのだという。

    それだけでなく、木を枯らせる虫の大量発生や、遊牧民の移動の妨げといった悪影響にもつながる危険性を提唱した。

    黄砂について詳しく紹介された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)5月27日放送回は、動画配信サービスTVerで配信中。同番組で紹介された岸田政権やトルコの大統領選挙といったニュースも含めて要チェックだ。

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    ※本記事は朝日放送テレビ株式会社が運営する『ABCマガジン』の記事を再構成して配信しています。