【森友学園】黒塗りの設立趣意書は「忖度」? 財務省は「それは推測」

    「8億円引き」の土地取引をめぐり、新たな資料の複数出てきている。集中審議で、真相は明らかになるのか。

    5月8日、衆議院予算委員会で集中審議が始まった。森友学園の問題や北朝鮮のミサイル問題、憲法改正発言などについての議論が進む見通しだ。

    森友学園をめぐっては、籠池泰典・前理事長が2016年3月、財務省で担当者と面談した際の録音データが公開されるなど、新たな資料が出てきている

    たとえば、建設業者と近畿財務局の「打ち合わせ記録」からは、「8億円引き」の根拠となっているゴミの存在を財務局が事前に把握していた可能性が浮上。

    また、財務局が森友学園側に土地契約の手順を示した説明資料を渡していたことも判明した。

    さらに録音データからは、財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長が、土地取引が「特例」であると述べていることが明らかになっている。

    午前の答弁で質問に立った民進党の福島伸享議員は、安倍昭恵夫人と籠池氏、さらに田村・国有財産審理室長の参考人招致を与党側が拒否したことを明らかにした。

    その上で福島議員は、財務省が開示した件の小学校の「設置趣意書」が黒塗りだったことを追及した。

    森友学園問題。売買契約書以前の一部資料である取得等要望書が財務省から出た。ほとんど全て黒塗り。何も分かりません。

    福島議員は籠池理事長の話として、設立趣意書が「安倍晋三記念小学院」の名前で出されていたと指摘。

    「黒塗りの趣意書には『安倍晋三記念小学院』と書かれていた。だからこそ様々な忖度があり、特例措置がなされた」

    それゆえに非開示にされているとし、黒塗り部分を開示するよう求めた。

    一方、財務省の佐川宣寿・理財局長は「不開示の中身について推測で話すのはおかしい」と反論。

    「学校運営に関わることなので、情報公開法に基づきこういう風にしている」と述べた。

    また、福島議員は、「電話で20回ほど安倍昭恵夫人に土地取得の相談や報告をしていた」とする籠池氏の見解を安倍首相に問いただした。

    民進党側は安倍昭恵夫人らの証人喚問や、資料の開示を引き続き求めた。衆・参両院での集中審議は9日まで続く。

    BuzzFeed Newsでは話題の言葉「忖度」について、『【森友学園】「忖度」という言葉について、日本語学者に聞いてみた』という記事にまとめています。