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【森友学園】「役人が自分の判断でするわけがない」その人脈には維新や大物政治家の姿も

豊中市の国有地を実質200万円で買った森友学園。首相夫人の安倍昭恵氏は名誉校長を辞任、国会では口利き疑惑の追及が続く。その人脈は「維新の会」にも広がっていた。

森友学園をめぐり、次々と浮かぶ疑惑。関係を否定する政治家たちに対し、YouTubeで反論した籠池泰典理事長。様々なルートが浮かび上がる中でも、注目されるのが大阪で圧倒的な存在感を持つ「日本維新の会」だ。

BuzzFeed Newsはこれまでの取材をまとめた。

役人が自分の判断でするわけがない

「大阪ではすべてを維新が牛耳っています。あれほど大きな土地取引をするのなら、どこかに絡んでいてもおかしくはない」

BuzzFeed Newsの取材にそう語るのは、土地取引疑惑にいち早く着目し、金額の公開を求める訴訟を起こした豊中市の木村真市議(無所属)だ。

木村市議がこの問題に気がついたのは2016年5月ごろ。この土地はもともと、豊中市が公園用地として購入を希望していた。しかし国との金額交渉が頓挫し、やむなく購入する土地を半分にすることになった。

そこを視察した際、買うことのできなかった残り半分の部分に、「おそろしく復古主義的な小学校」(木村市議)ができることを知ったのだという。

学校をつくろうとしていたのは森友学園だった。日本最大の保守団体「日本会議」と近く、「塚本幼稚園」も運営している。

「工事現場に貼ってあったポスターには、安倍昭恵氏が名誉校長になると書かれていたんです。これは何かあるな、と思って情報公開請求をしたら、こんな真っ黒な資料が出てきたんです」

これが「国有財産売買契約書」。黒塗りになっているのは、金額だけではない。今回、疑惑の中心になっている「ゴミ処理のための8億円引き」を示す契約部分が、すべて真っ黒になっていた。

内容はのちに明らかになった。こちらが全文だ。

「政治家が関わっているなと感じました。今になって取引をめぐる様々な仕組みが明らかになっていますが、このようなギリギリ合法の土地取引のスキームを、役人以外が考えられるはずはありません。しかし、役人が自分の判断でそんなことをするはずもありませんよね」

森友学園は資金繰りに苦労していた。土地購入に関しても当初は借り入れ契約を結んでいたことが、BuzzFeed Newsの取材でわかっている。

だからこそ、木村市議は維新の会と森友学園の関係性を注視している。

「大阪は維新が圧倒的に強く、自民が共産党と手を組むこともある。国政からみたら『ねじれ』のある土地です」

実際、府議会(88議席)では大阪維新の会が42議席を持ち、ほかを圧倒。公明党(15議席)と連立し、過半数を維持している。一方の自民党・無所属の議員団は25人。一野党にすぎない。

学園と維新の関係性

実際、森友学園と維新の人脈の接点は、いくつか見つかっている。

3月3日には、学園の籠池氏が維新府議に「私立小学校認可」を求めて働きかけをしていたことも明らかになったばかりだ。

また、籠池氏が園長をつとめる幼稚園で配布した保護者への手紙には、こんなことが記されていた。

「橋下前大阪市長とは平成26年に両陛下が京都から鶴見区においでになったときに、現大阪府知事松井一郎氏とともに奉迎させていただきました」

松井知事は籠池氏のことを「知らなかった」と話しているが、この書き方を見ると、面識があるようにもとれる。

また、かつて維新の会に所属していた上西小百合衆議院議員も、Twitterで森友学園と維新の会に関係性があったとして、こうつぶやいている。

私が国会議員になった4年前、維新から「塚本幼稚園」を視察してその素晴らしさを広めろと命じられました。行ったら異様だったので〝卑怯〟な私はブログにアップするのをやめました。森友学園問題は松井一郎大阪府知事が認可した責任を取って終わるでしょうね。維新はいつもそんなもの。さすが自民党。

大物政治家の姿も

維新と関わりの深い、自民党政治家の名も浮かぶ。

小学校のサイトの「あいさつ」には、平沼赳夫衆議院議員の姿が。文章からは、両者の距離の近さがみて取れる。

籠池先生頑張れ。

小学校の教育、これは本当に大切です。幼児教育で大変な実績を挙げられた塚本幼稚園の籠池先生が、此度小学校を建設されることになり、日本にとってこれ程の朗報はありません。

大成功を衷心よりお祈り申し上げます。

平沼氏はいまでこそ自民党に所属しているが、森友学園の小学校建設が始まろうとしていた頃は、日本維新の会の代表代行を務めていた。

その時期の2013年9月21日には、塚本幼稚園で講演会も開いている。PTA発行の「お母さん新聞」を見ると、大きく取り上げられていることがわかる。

募る疑念、否定する2人

そもそも、学校を認可する立場にいるのは大阪府だ。その知事は、橋下徹氏や松井一郎氏である。

2011年9月(橋下知事時代)には、籠池氏がこの基準について府に直接、見直しを要望。府は12年4月(松井知事時代)に基準を緩和している。

これまで、この基準で小学校の設置申請をしたのは、森友学園だけだ。さらに、たった1ヶ月で、「継続審議」から「認可適当」へと、判断が変わった。

大阪府の私学審議会が認可の議論を始めたのは14年12月18日のこと。一部報道によると、委員から経営状況などを不安視する声が相次ぎ、継続審議となった。

しかし、2015年1月27日に臨時の審議会が開かれ、ここでは条件付きで「認可適当」との答申がでている。このときの認可者は松井知事だ。

認可から2週間後、国有財産近畿地方審議会(15年2月10日)が定期借地契約を了承。議事録を見ると、この了承は大阪府の「設置認可適当」を元にした判断だったことがわかる。

疑念は募る。だが、橋下氏や松井氏はそういった憶測を否定する情報の発信を続けている。

(森友学園)僕が規制緩和した後に実際に新規設置申請をやったのは森友だけだと言う。それが何か?それは現代段階での話だろ。今後、森友だけじゃなくあらゆる学校法人に平等にチャンスは開かれている。これまでの大阪の私学審議会と設置基準がおかしかったから是正しただけだ。

ABC、恣意的偏向報道での誹謗中傷はいい加減にしなさい。先ず、土地取引については、財務局と学校法人との契約であって、8億の値引きに大阪府は一切関与しておりません。また、大阪府はこれまで私学認可について申請者の提出書類に虚偽が無いと… https://t.co/o1yNdbZjwF

松井府知事は「不認可」に言及

「日本維新の会」は3月6日、自民・公明が反対している籠池氏の国会参考人招致に賛成することを明らかにした。

一方の松井府知事は、学校を不認可する可能性に言及している。

提出書類をめぐり、さまざまな問題点が浮かび上がっていることについて、「教育者なので、性善説に立って書類に虚偽はないという形で受け付けていた」(3月6日)。

さらに3月9日には、「全て理事長サイドからの指示で虚偽の契約書が作られたと思う」とまで述べている。

当の籠池氏はどう捉えているのか。YouTubeに公開された(現在は閲覧不可)動画では、購入の経緯はクリーンであることを強調しつつ、「認可妥当の答申をいただいたので工事が始まっている。これは重たい事実なんです」と憤っている。

「この答申がなければ建築がはじまらなかった。いまは建築ができあがって生徒が入ろうとしているのに、認可をなしにしようとなるのがおかしいのです」

「認可をいただかないと大変なことになる。私どもも大阪府に賠償請求せないかんようになる。子どもさんも路頭に迷う」

愛国保守の小学校に連なる人脈

改憲を目指す勢力という意味では維新は安倍政権とも近い。安倍首相は橋下徹氏と面会を繰り返し、菅義偉官房長官も松井一郎府知事(日本維新の会代表)と近い。

そして、小学校の名誉校長は首相夫人の昭恵氏だった。前出の木村市議は愛国保守の重層的な人脈が、疑惑の土地取引に影響を与えたのではないかと見ている。

「安倍昭恵夫人が名誉校長であることが、役人にとって無言の忖度になった可能性もあります。補助金を小学校に投入することで、利権が生まれる仕組みを誰かが見出したのでは、と私は思っています」


BuzzFeed Newsでは、森友学園と保守団体「日本会議」の関係性について「森友学園に保守団体から『迷惑』の声 『中国人嫌い』と園児が言う教育の実態」にまとめています。


Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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