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安倍首相「知り得る立場だったが知らなかった」加計学園の獣医学部新設をめぐり

過去の答弁の修正も。

学校法人「加計学園」の獣医学部新設などの問題をめぐる参議院予算委員会の閉会中審査が7月25日、開かれた。

24日の衆院予算委で、加計学園の新設申請を「2017年1月20日まで知らなかった」と答弁した安倍晋三首相。

自ら頻繁に会っていた友人の計画を、事業者決定のその日まで知らなかったのか。この日は、過去の首相答弁と照らし合わせた質問が相次いだ。

安倍首相は7月24日、自身が加計学園の獣医学部新設について知ったのが、自らが議長を務める「国家戦略特区諮問会議」で事業者として加計学園を正式決定した「1月20日」と初めて明言した。

こうした答弁に対し、野党からは疑問が投げかけられている。学園の加計孝太郎理事長と安倍首相は学生時代からの友人であり、2016年に7回、食事やゴルフをしていたからだ。

さらに、加計学園の事態が大きく動いたとされる時期は2016年8〜9月にかけてだが、食事は7月以降で6回にも及んでいる。

7月25日、冒頭に質問に立った自民党の青山繁晴議員が経緯の確認をした。安倍首相はこう答弁し、改めて「2017年1月20日」に知ったという点を強調した。

「2年前の11月から、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において、今治市が獣医学部新設を提案していることを知りました。しかしその時点においても、その後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について今治市から説明はなく、加計学園の計画は承知しておりませんでした

「最終的には本年1月に事業者の公募を行い、加計学園から応募があった。その後、分科会でのオープンの議論を経て、1月20日に諮問会議で認定することになるが、その際、私は初めて加計学園の計画について承知したところであります」

青山議員に加計理事長との関係について問われた安倍首相は、こうも答えている。

「彼は教育者として時代のニーズに合わせ、新たな学部や学科の新設にチャレンジしたいという趣旨の説明をしたことはありますが、具体的にどの学部を作りたいと私に話したことは一切ありません」

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一方、民進党の蓮舫代表は、安倍首相が6月16日の参院予算委で「構造改革特区で申請されたことは承知していた」と答えている点について追及した。

首相は6月16日、社民党の福島みずほ氏の質問にこう答えているからだ。

「当時は国家戦略特区ではなくて構造改革特区であったわけでありますが、そこで申請されたということについては私は承知をしていたところでございますが、その後に当然、私は議長を務めておりますから、国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになるということでございます」

首相はこの点について、「加計学園と今治市と混同があった。おわびをしなければならない」と釈明。過去の答弁をこのように修正した。

「厳密さに欠いておりましたが、申請を決定する段階で、諮問会議の議長として加計学園の計画を承知したということであります」

「加計学園と今治市とで、少し混同があったことは、おわびしなければならないが、いま、私が答弁したことが事実でございます」

午後も同様の質問は続いた。共産党の小池晃書記局長は、安倍首相が「申請を知りうる立場にいた」と答弁していた点を「知り得ただけで知らなかったということなのか」と指摘した。

首相は5月9日、参院予算委で自由党の森ゆうこ議員の「獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたか」との質問にこう答弁している。

「この加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出しますから、この特区に申請した段階においてこの説明を受ける、当局から説明を受けるわけでございますので、その段階で当然総理大臣として知り得たと、こういうことでございます


「第二次安倍政権発足後も内閣総理大臣が本部長である構造改革特区本部においてこの提案に対する政府の対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様ですね、本件についても知り得る立場にあったわけでございます

この答弁について、安倍首相はこう弁明した。

「数十ある申請を、私はいちいち全部の説明を受けるわけでもありませんし、見ているわけでもありません」

もうすでに答弁をさせていただいております通り、知り得る立場にありましたが、しかし、数十件ある案件の一つに過ぎないわけでありまして、実際には今治市の提案について、これはまったく認識をしていなかった

こうした答えに対し、議場は紛糾。速記がたびたび止められるほど混乱した。

さらに小池議員は、松野博一・文部科学相や山本有二・農林水産相、山本幸三・地方創生担当相の獣医学部新設に関わる3閣僚が、加計孝太郎理事長と面会したかを問うた。

3人はそれぞれ2016年8〜9月に理事長と面会し、松野文科相以外の2人は獣医学部新設の話を聞いたという。

小池書記局長はこの点を持ち出し、安倍首相に「ゴルフや会食で頻繁に会っているのに、関係大臣には伝えていながら首相だけには伝えなかったのか。にわかに信じられない」と質問した。

安倍首相の答えはこうだ。

「まさに担当の大臣を訪問し、自分の申請の意思についておそらく説明をしたのだろうと思いますが、私はそういう仕事の場面では会ってもいない。昔からの友人でありますから、さまざまな場面で会うことはありますが、そこでは役所の中で陳情を受ける、答えるという関係ではない」

「お互いに、ずっと学生時代からの友人でありますから立場が変わっていくこと。しかし、地位を利用して彼は何かを成し遂げようとしたわけではなかった。いままでも、私が指示していないと各大臣が答弁している通りであります」

小池書記局長は「いくら聞いても納得できない」と語り、加計理事長の証人喚問を要求した。



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