ウクライナ政府、日本に外交ルートで謝罪。昭和天皇の写真を「ファシズム」と… 外務省が動画に削除要請

    外務省としてもツイートの問題は独自に把握しており、申し入れは日本時間の4月24日に実施。同日中に外交ルートで謝罪があり、すぐに削除対応をされたという。

    ウクライナのTwitter公式アカウントが4月24日夜(日本時間)、日本に対して「心からお詫び」をした。「友好的な日本の人々を怒らせるつもりはなかった」などとしている。

    ロシアの侵略に関する動画で過去の「ファシズム」と「ナチズム」について触れる際、昭和天皇の写真が用いられていたことから、一部のユーザーを中心に批判が集まり、国会議員らも反発していた。

    外務省欧州局も大使館経由で抗議と削除を申し入れたという。ウクライナ政府からは、外交ルートを通じて謝罪があったとしている。

    ウクライナの公式アカウントは200万人以上のフォロワーを持つ。もともとの動画は4月1日に公開されているもので、ロシアやプーチン政権をファシズムやナチズムになぞらえて批判するメッセージが込められていた。

    その中で用いられていたのが、昭和天皇の写真だった。「ファシズムとナチズムは1945年に敗北した」として、第二次世界大戦中の敗戦国である日本、ドイツ、イタリアに言及。ヒトラー、ムッソリーニと並ぶ形となっていた。

    これに対し、ツイッター上では一部ユーザーから批判が噴出。自民党外交部会長の佐藤正久・参議院議員ら、国会議員からも抗議の声があがっていた。こうした動きとあわせ、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使もTwitter上で、対応を求めていた。

    ウクライナの公式アカウントは4月24日夜、「間違いを犯したことを心よりお詫び申し上げます。日本の友好的な人々を怒らせるつもりはありませんでした」などと説明。昭和天皇の写真がなくなった動画が再公開されている。

    Our sincere apologies for making a mistake in the previous version of the video. We had no intention to offend the friendly people of Japan 🇺🇦🇯🇵. In the new video above we have corrected the mistake. https://t.co/rB3RkR6V4k

    Twitter: @Ukraine

    外務省欧州局中・東欧課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「写真が不適切ということでウクライナの大使館から同国の大統領府に対して、ただちに削除するよう申し入れを行いました」と経緯を説明。

    同課としてもツイートの問題は独自に把握しており、申し入れは日本時間の4月24日に実施。同日中に外交ルートで謝罪があり、すぐに削除対応をされたという。

    どの点が「不適切」であると伝えたかの詳細などについては、「外交上の内容となるため、明らかにできない」としている。

    削除の翌朝、在日ウクライナ大使館は「当館は把握しておらず対応が遅くなりましたがまずは削除となりました。ご指摘の皆様に感謝申し上げますと共にご不快に思われた日本の皆様にまずは深くお詫び申し上げます」とツイート

    さらに「アカウントは、現在はウクライナ政府と関係がありません」ともしているが、Twitterの当該アカウント(@Ukraine)には、ウクライナ政府と関係があることを示す「政府および国家当局」に関係するアカウントであることを示すラベルがつけられている。

    この点について、外務省の担当者は、当該アカウントはウクライナ政府関連のものであるとの認識を改めて示した。大使館側の発信の背景などは把握していないという。

    UPDATE

    ウクライナ大使館の発信に対する外務省の見解を取材、加筆しました。また、一部表記を修正しました。