台風15号の影響で、静岡県内では9月23日夜から24日にかけ、猛烈な雨が降り続き、記録的な大雨となりました。
静岡市では12時間の雨量が400ミリを超え、観測史上最多に。土砂災害の危険も高まっています。
冠水や浸水の被害なども相次いでおり、Twitter上には報告の写真などが多数アップされています。24日朝には「床上浸水」がトレンド入りしました。
もし、あなたが被災してしまった場合、どんな支援が受けられるのでしょうか。そのために被災後にまずすべきことは、なんでしょうか。
1:被災をしたらまず写真を
災害があったら安全を確保したうえで、すぐ家の被害状況を記録しておくことが大切です。
公的支援に必要な「り災証明書」の取得に必要になるだけではなく、民間の保険の申請などにも活用できます。
どのように記録すればよいのか。内閣府が公表している3つのステップは以下の通りです。
(1)建物の全景を撮る
- なるべく4面を撮影する
- 写真は役所に提出する 撮影はスマートフォンでもOK。過去の災害では、写真が印刷できない場合スマホ画面の提示で応じた自治体もあったといいます。
(2)浸水した深さを測る
- メジャーを使って水に浸かった深さを測定する
- 測定場所がわかる遠景を撮影する
- メジャーの目盛りがわかる近景を撮影する
(3)被害箇所を撮る
- 被害箇所ごとに遠景と近景の2枚セットで撮影する。指差し確認をしながら撮影すると良い。
- 身を危険にさらしてまで撮影する必要はありません。撮れる状況になった、片付けの前などに撮影してください。
- 指差し確認をしながら撮影する箇所主な被害箇所外壁、屋根、基礎、内壁、天井、床、ドア、ふすま、窓、キッチン、浴室、トイレなど
2:全壊、半壊ってどういう基準なの?
災害にあったら、支援を受けるために必要になるのが「り災証明書」です。
撮影した写真を持って区市町村に申請しましょう。調査を経て証明書が交付されます。被害の程度は、損害割合によって以下のように区分けられています。
全壊:50%以上
大規模半壊:40%台
中規模半壊:30%台
半壊:20%台
一部損壊(準半壊):10%以上 20%未満
一部損壊:10%未満
3:被害に遭ったら受けられる支援は?
災害の程度や適用される法律にもよりますが、被災した人が受けられる支援制度には主に以下のようなものがあります。
給付:被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金、義援金など
低利融資:災害援護資金、災害復興住宅融資、国の教育ローンなど
減免・猶予:被災ローン減免制度、税金や保険料、高校や大学の授業料、公共料金、NHKの受信料など
現物支給:応急修理制度、災害救助法に基づく応急仮設住宅など
「被災者生活再建支援制度」では、被災者生活再建支援法が適用された場合、全壊・解体・長期避難の世帯を対象に最大300万円、大規模半壊は最大250万円、中規模半壊は最大100万円の支援金(いずれも世帯人数が一人の場合は4分の3)を受けることができます。
「応急修理制度」は災害救助法が適用された場合、一部損壊をのぞく世帯に対し、自治体が業者への修理費用を肩代わりする制度です。半壊〜大規模半壊の被害を受けた世帯では最大65万5千円分、準半壊の場合は最大31万8千円分の支援が受けられます。
なお「応急修理制度」は、仮設住宅に入っていない場合に受けられる制度です。自分で先に業者に依頼をしたり、支払いを済ませたりしていると対象外になります。
また、住宅ローンなどの返済が困難になった場合は、債務整理のために被災者向けの減免制度を利用することもできます。ブラックリストに掲載されないほか、義援金や支援金をのぞく500万円が手元に残せるなどのメリットがあります。
4:水災補償、入ってる?
公的な支援だけでは住宅の再建や修理費用が賄えないかもしれないーー。
そうした状況で頼りになるのが、民間の火災保険や共済です。ただし、契約には必ずしも「水災補償」がセットされているわけではありません。
また、セットされている場合でも家財が含まれているか、どのような損傷状況で適用されるかなど、細かい条件を確認することが大切です。
内閣府も「建物被害の程度にかかわらず、家財が大きく被害を受け再購入が必要になる場合もあることから、持ち家の場合は、建物の補償と家財の補償の双方で備えることが望ましい」と呼びかけています。
UPDATE
法適用の詳細を追記し、さらに損害割合や支援制度の内容を最新のものに更新しました。