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台風8号、関東直撃へ。もし車が水没したら…?5つの「危険地点」と脱出方法とは

水害では水没なども懸念されるため、車による避難そのものが危険になります。走行中は水の深さがわかりづらく、危険を察知できない場合があります。大雨の予報がある場合は車に乗ることを控えましょう。

台風8号(メアリー)が8月13日、東海や関東甲信地方に接近し、上陸する見込みです。気象庁は大雨や暴風、高波などへの最大級の警戒を呼びかけています。

過去の水害時には車に乗って避難中に「車中死」してしまうケースが起きています。

災害時に車に乗っていたり、車で避難したりする際にそうした被害を避けるためには、どうすればいいのでしょうか。

津波から避難するためのやむを得ない場合を除いて、どんな災害でも避難のために車を使用しないのが原則です。

渋滞や事故の発生、緊急車両の通行の妨げになることがその理由。水害では水没なども懸念されるため、車による避難そのものが危険になります。特別な場合を除きやめましょう。

近隣に避難所などがある場合は徒歩によるできる限り早めの避難を心がけるとともに、すでに水害が発生している状況では無理に避難をせず、自宅や頑丈な建物の上部(斜面と反対側)に避難する「垂直避難」を心がけましょう。

とはいえ運転中に大雨が降ることもあります。その際は冠水しやすい高架下や立体交差のアンダーパス、橋や川、海岸沿い、急傾斜地には近づかないことが大切です。

また、山間部を走行中に孤立してしまう可能性もあります。そうした場合のため、携帯電話の充電器や防災用品を車内にも準備しておきましょう。

車が冠水・浸水したらエンジンは?

車は思っている以上に水に弱いもの。

走行中は水の深さがわかりづらく、危険を察知できない場合があります。大雨の予報がある場合は車に乗ることを控えましょう。

  • タイヤ半分(浸水10cm):ブレーキが効きにくくなってしまいます。
  • ドアのあたり、大人の膝までつかるほどの浸水(30cm〜):車のエンジンは停止します。その場合、すぐに車外に避難する必要があります。
  • それ以上(50cm〜):車は浮き始め、流されてしまいます。また水圧や浸水でドアやパワーウインドウが開かなくなり、脱出も難しくなってしまいます。


車が水没した際の脱出法

もしも車が水没したり流されてしまったりしても、車は簡単には沈みません。

ドアやパワーウィンドウが開かない場合、まずは落ち着いて以下のような手段を試してみましょう。

  1. まず、落ち着いてシートベルトを外す。

  2. 緊急脱出用の工具を持っている場合は、サイドガラスの四隅を割って避難する(フロントガラスは工具でも割れない)

  3. 工具がない場合は、車内に水が入って外の水位との差が小さくなったときが脱出のタイミングになる。水圧の関係でドアが開きやすくなるため。

  4. 大きく息を吸い込んで足などに力を込め、ドアを押し開けて一気に脱出する。

注意ポイント 車の窓ガラスは簡単には割れません。普段から非常用のハンマーなどを常備しておくことが大切です。

水害後は、浸水した車の「発火」に注意

浸水した車は電気系統の漏電で火災が起きる危険性があります。

水が引いても浸水した車を使うことは避け、整備工場やディーラーに連絡しましょう。なお使用するまでの間、車には以下の処置をする必要があります。

  1. いきなりエンジンをかけず、ボンネットを開けて水に浸かっているか確認

  2. ボンネットを開けて水に浸かっていたら、バッテリーのマイナス側のターミナルを外す

  3. 外したターミナルがバッテリーと接触しないよう、テープで覆うなど絶縁処置をする

注意ポイント ただし、この措置は一般車両に限られます。ハイブリッド車や電気自動車は高電圧のバッテリーを搭載しているため、むやみに触らないようにしてください。