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大地震で停電、エレベーターやトイレはその時… 「タワマン」防災、備えと対策をまとめました。

地震に強いとされるタワーマンションですが、油断は禁物です。大きな地震では高層階であればあるほど、揺れが大きくなる傾向があります。電気やガス、水道などのライフラインへの影響が長引けば生活に大きな影響が出てしまいます。

3月16日深夜、東北地方で最大震度6強を観測した強い地震。首都圏でも大規模な停電が発生するなど、大きな混乱が生じました。

地震後には、都市部を中心に増加傾向にあるタワーマンション(高層マンション)の明かりが消えている様子も、SNS上に投稿されていました。

災害に強いと言われていた「タワマン」ですが、ライフラインの途絶やエレベーターの停止など、思わぬリスクも。必要な備えや対策をまとめました。

高層マンション、災害時はどうなる?

地震に強いとされるタワーマンションですが、油断は禁物です。大きな地震では高層階であればあるほど、揺れが大きくなる傾向があります。

免震・耐震構造であっても、東日本大震災のように揺れの周期が長い「長周期地震動」などでは立ってられないほどの揺れが数分間続くことも。

これにより部屋では大きな家具が動いて倒れたり、ガラスが破損するなどの被害が出る危険性があります。

エレベーターが停止、ライフラインが…

地震が起きるとエレベーターは自動的に停止してしまいます。階段しか使うことができなくなるのです。

復旧に時間を要することから、この間高層階の居住者や高齢者などが「生活困難者」になってしまうことも。東日本大震災では、復旧に半年以上かかったケースもありました。

なお、エレベーターに乗車中に強い揺れを感じたときは、閉じ込められるおそれがあるため、全ての階のボタンを押し、最初に止まった階で降りるようにしましょう。

非常用の自家発電設備が備えられている施設もありますが、電気やガス、水道などのライフラインへの影響が長引けば、生活に大きな影響が出てしまいます。

また、セキュリティシステムが使えなくなったり、ゴミ捨て場の管理状況が悪化したりするなど、タワーマンション特有の問題も起きてしまいます。

トイレが流せなくなる?

高層マンションで停電が起きると、給排水ポンプが使えなくなって断水したり、トイレの排水ができず使えなくなってしまったりすることも。

断水していなかったとしても、排水管が損傷していたり、通常の排水ができなくなったりして上層階の住民が流した汚水があふれたり逆流したりする被害が出る可能性があります。

災害後は復旧や設備の状況が確認できるまで、「トイレに水を流さない」ことが大切です。

なお、非常用の自家発電設備により、停電時もポンプに給電がされる場合もあります。施設の状況を確認するようにしてください。

もしものときの対策は?

  1. 最低3日、できれば1週間分食糧や飲料水を備蓄する
  2. 日頃から食材などを多めに用意しておく(ローリングストック)
  3. 日用品も備蓄しておく


こうした各家庭での備えに加え普段から管理組合などの自主防災組織をつくりマニュアルをつくることも大切です。

豪雨でも同じ被害が

こうした被害は地震だけで起きることではありません。台風などの豪雨災害では地下にある電源設備が浸水し、同様の被害が出る可能性があります。

実際に2019年の台風19号では、川崎市のマンションで浸水被害が発生し電気や水道などのライフラインが1週間以上にわたって途絶しました。


出典:東京都発行 防災ブック「東京防災」240ページ、東京都品川区「高層マンション防災の手引き」東京都中央区「備えて安心!マンション防災」国土交通省「令和元年台風第19号による被害等」を参考にBuzzFeed Japanが作成