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電力使用率、なぜ「100%超え」でも停電を回避できたのか? 節電は継続を

東京電力ホールディングスがサイト上で公開している「でんき予報」によると、管内の電力使用率は午前10時に101%を超え、その後も100%以上で推移。14時台には107%に達した。

東北地方で震度6強を観測した地震の影響で、福島県の火力発電所が一部停止し、東京電力と東北電力の両管内で、電力需要が厳しい状態になっている。

東京電力によると、データ上の電力使用率は午前10時から100%超えで推移し、午後2時には107%に達した。「揚水式水力発電所」を使って超過分を賄っている状況だ。

このままの状況が続くと20時台に「揚水式発電」の残量がなくなり停止するといい、200〜300万軒規模の停電が発生するおそれもある。政府も初めて「電力需給ひっ迫警報」を出し、より一層の節電を呼びかけている。

東京電力ホールディングスがサイト上で公開している「でんき予報」によると、管内の電力使用率は午前10時に101%を超え、その後も100%以上で推移。14時台には107%に達した。

これは、東電の供給量と、他の地域の電力会社から融通されている量をあわせた予測の供給量を、電力需要が超えてしまっていることを意味している。なお、民間企業の自家発電分は、ここには含まれていない。

広報担当者によると、本来であれば予測された供給分である「100%」を超えた数値は表示されないようになっているが、需給の担当部署による作業が追いついていないことなどから、データ上は「100%」を超えた数値が表示されているという。

20時台に停電のおそれも

「100%」を超えた分の電力を賄っているのが「揚水式発電」だ。山間部などに設置されており、標高が高いところと低いところにそれぞれ「調整池」がある。

深夜など電力の使用が少ない時間帯や、太陽光発電による余剰電力がある場合にポンプを使って下の池から水を汲み上げ、需要の多い昼間や電灯を多く使う夜間、今回のような非常時などには上の池から水を流して発電をする、バッテリーのような機能を持った発電所だ。

上の池にある水を使い切ってしまえば、発電はできなくなる。広報担当者によると、想定よりも多く稼働しているために残量が少なくなっており(16時現在で52%想定のところ49%)、このままでは20時台に運転が停止するという。

揚水式発電が使えなくなった場合は電力供給が足りず、約500万kW(200万~300万軒規模)の停電が発生するおそれがあるといい、さらなる節電を呼びかけている。

UPDATE

経済産業省は22日夜、夜のうちの大規模停電を回避したと明らかにした。節電の効果とみられている。23日も気温が下がるため、引き続き節電への協力を呼びかけている。

UPDATE

揚水式発電所の説明を加筆しました。