この車、何かがおかしい。「頭がバグってきた…」と話題に

    鳥取ー島根県境にある通称「ベタ踏み坂」(江島大橋)で撮影された写真をコラージュしたものですが、どうみても上の車が大きく見える……。

    この軽自動車、まったく同じ大きさって信じられますか…?

    専門家が「錯視」の一例として紹介した写真が、Twitterで話題を呼んでいます。

    写真を紹介したのは、立命館大の北岡明佳教授(知覚心理学)。自身が講演をするという「理論心理学会第66回大会」に関するツイートでした。

    鳥取ー島根県境にある通称「ベタ踏み坂」(江島大橋)で撮影された写真をコラージュしたもの。まったく同じ車なのに、どうみても上の車が大きく見える……。

    Twitter上では「どういう事なのか分からない」「頭がバグってきた…」などと驚きが広がっています。

    なぜ、サイズが違うように見えるのか。北岡教授はBuzzFeed Newsの取材に対し、以下のように「トリック」を説明します。

    「この錯視は『遠くにあると知覚される対象の網膜像の知覚は近くにあると知覚される対象の網膜像よりも若干大きく見える錯視』です。私は『回廊錯視』と呼んでおりますが、『大きさの恒常性』と呼ぶ研究者もいます」

    Twitter: @AkiyoshiKitaoka

    かなりの急勾配に見えることで有名な「ベタ踏み坂」も錯視のひとつ

    北岡教授によると、錯視の強さを示す「錯視量」が1割を超えると、「相当強力」なものになるといいます。

    「大きさの錯視は、その錯視量が1割もあれば(網膜像が同じ長さ・大きさのものを比較して、知覚される長さ・大きさの差が、一方を1.0とすると1.1あるいは0.9もあれば)相当強力です」

    この軽自動車の場合は「もっと錯視量が多そう。私には3割増しの大きさに見えます。正式に測定したデータは持っておりませんが、十分驚ける錯視であると言えます」と語ります。そのうえで、「錯視量」についてもこう教えてくれました。

    「知覚心理学では、たとえば10人あるいは20人の観察者の測定値を平均したものを、その錯視の強さとして論文や学会や発表することが多いですが、錯視は個人の体験ですから、一人一人のデータにも意味があります。自分の錯視量が平均値からズレていても、自然な個人差であり、全く問題ありません」

    今回オンラインで開催される理論心理学会では、北岡教授が「錯視とはなにか」をテーマに講演をするとのことで、こう呼びかけました。

    「この錯視画像は私が講演する内容の一部です。当大会には、すばらしい講演が揃っておりますので、覗いてみてはいかがでしょうか」

    これを機に「錯視」の世界に興味を持たれた方には良いチャンスかもしれません。北岡教授のホームページには、他にもたくさんの画像が紹介されていますよ。