印章・スタンプ製造の「シヤチハタ」は8月26日、痴漢などの抑止を目的にした「迷惑行為防止スタンプ」をテスト販売することを発表した。
同社は5月末、痴漢を安全ピンで撃退することの是非をめぐってSNS上で議論が活発化するなか、「早期に対応ができるようにします。ジョークではなく、本気です」とツイート。その先行きが注目されていた。
シヤチハタによると、開発されたのは特殊な「UV発色インキ」を採用したハンコ。
太陽光や照明の下では無色透明だが、ブラックライトを当てると「手のマーク」が現れる仕組みになっている。
鞄やポケットなどに取り付けられるよう、コードと携帯用ブラックライトが付いているという。
SNS上であがっていた要望を受けて開発をしたといい、同社は「迷惑行為防止条例などに抵触する行為に対し、 抑止力や実用性の検証」するためにテスト販売をする。
販売は8月27日午後1時から。公式オンラインストアで、限定500個を予定している。今後は「寄せられた声をもとに商品を改良し、 発売に向け更に開発を進めていく予定です」という。
冤罪の懸念は?
同様の商品をめぐっては、埼玉県警鉄道警察隊が2015年に、特殊なインクを痴漢に付ける「チカン抑止シール」を配布。学校現場などから注文が殺到していたが、「冤罪」をめぐる懸念の声も上がっていた。
今回も、同様の議論が巻き起こる可能性もある。どのような活用を経て、改良が加えられていくのだろうか。
同社の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「抑止力に使っていただくことを一番に考えています」と語る。
「実際に押すことができるのかどうかも状況により変わってくる。また、それだけで証拠に足りうるかは警察側などの判断になってくるため、押せるようにはなっているものの、抑止力として使っていただけれれば」
また、冤罪への懸念については以下のように語った。
「冤罪や本当に間違えて押された場合、いじめなどに使われるようなことを考えて、インキをUV発光にしました。完全に防げるわけではないにせよ、いたずらに押す行為などについて、配慮をしています」
購入者へのアンケートのほか、オンラインサイト内でも意見を募集するといい、「こうしたものが必要ない社会になるためにも、議論に一石を投じることができればと思っています。意見を寄せていただければ」としている。
UPDATE
シヤチハタ広報の回答を追記しました。