ロシアの国連大使が“言い間違え”「ブチャの遺体はロシア兵が到着する前になかった」その場で訂正も拡散

    ウクライナ側は「虐殺(ジェノサイド)」と訴え、日本政府をはじめとする各国からも「戦争犯罪だ」との非難が高まっている。一方のロシア側は「でっち上げ」「死体が動いた」「ウクライナ過激派の犯行」などと主張している。

    ウクライナのキーウ近郊ブチャで多数の民間人の遺体が見つかった問題で、ロシアのネベンジャ国連大使が記者会見で、「遺体はロシア兵が到着する前にはなかった」と同国の主張と真逆の見解を述べ、すぐに訂正する場面があった。

    ロシア側はブチャでの事件について「ウクライナによるフェイク」との見方を崩していないが、多数のメディアの発信などから、「戦争犯罪」とする見方が強まっている。こうした中での失言ということもあり、SNS上で話題を呼んでいる。

    (閲覧注意:この記事には、戦争の実態を伝えるため、犠牲者の写真が含まれます)

    ブチャをめぐっては、現地入りした欧米メディアも、通りに遺体が散乱している様子などを撮影。ウクライナ検察庁は410人の遺体が確認されたと発表したほか、市内にある教会の敷地に多数の遺体が埋葬されたとも伝えられている。

    ウクライナ側は「虐殺(ジェノサイド)」と訴え、日本政府をはじめとする各国からも「戦争犯罪だ」との非難が高まっている。一方のロシア側は「でっち上げ」「死体が動いた」「ウクライナ過激派の犯行」などと主張している。

    なお、米ニューヨークタイムズも衛星画像を検証。画像を日ごとに比較し、ロシア軍の占領下で遺体が日に日に増えていく様子を明らかにし、ロシア側の主張を否定した。

    また、写真などにうつる遺体が「死後硬直していない」ことからウクライナ側の自作自演を主張するロシア国防省の発信については、BuzzFeed Newsの取材に応じた日本の法医学者が疑問符を投げかけている。

    この事件をめぐり、4月5日の国連安全保障理事会では、ロシアのネベンジャ国連大使が殺害は「ウクライナの過激派」によるものなどとして、公開されている映像や写真が「フェイク」であるとする主張を繰り返した。

    話題を呼んでいる発言があったのは、国連で記者会見の質疑応答。記者から「写真もあり、目撃者もいる。あなたはこの出来事について、どう言うつもりなのか」という質問に答えるさなかの出来事だった。

    「あなたが注意深く、ブチャで起きたことを見てみれば、通りに横たわっている遺体が、ロシア兵が到着する前にはなかった……いや、いや、去る前、失礼。ロシア兵が去る前になかった。そして、突然、通りに……ひとつずつ、左右に現れ、そのうちのいくつかは動き、いくつかは生きている兆候も示していたことがわかるはずだ」

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    そのうえで大使は、ブチャの映像や写真が「フェイク」であると重ねて強調。激しい情報戦のなかで、ウクライナ側によってつくられた証拠を持っていると重ねて訴えた。

    このいい間違えについて、Twitter上ではフランスのジャーナリストが、無意識の本音を漏らしてしまうことを指す「フロイト的失言」であると指摘し、拡散。この場面は80万回以上再生されている。

    また、もともとロシアで石油会社を経営し、いまはロンドンに事実上亡命しているミハイル・ホドルコフスキー氏も「絶え間ない嘘は憂鬱で、真実を伝えたいという無意識の欲求が出てくる」などとツイートしている。