あまり報道されていない「悪夢」。いま、ミャンマーで起きていること

    ロヒンギャ難民の危機とは

    ミャンマーに暮らす少数派のイスラーム教徒、ロヒンギャの人たちの危機が深刻化している。

    多くの人たちは、8月末に始まった武装勢力とミャンマー治安部隊の戦闘に巻き込まれ、隣国のバングラデシュに逃れている。

    避難民はこの1ヶ月で倍増し、50万人を超えた。AFP通信によると、さらに25万人の人たちが家を追われる恐れがあるという。

    80〜100万人いると言われるロヒンギャの人たちは、ミャンマー政府から国籍を与えられていない。不法移民の立場に置かれ、迫害の対象ともなっている。

    CNNによると、以前からバングラデシュに逃れていた人たちを合わせると避難民は7〜80万人に及び、キャンプは満員状態。食料難や衛生上の危機が起きている。

    これは、避難中にボートの転覆で亡くなった子どもたちの遺体。9月28日に撮影されたものだ。

    同様の事故は相次いでおり、死者は増える一方だ。

    アントニオ・グテレス国連事務総長はこうした状況を、「人道と人権における悪夢」と表現。人道支援を急ぐ方針を示した。

    ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問は、ロヒンギャ問題に対応する姿勢を示している。しかし、不十分だと国際社会からの批判は高まっている。

    アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は「少数民族の浄化」という言葉を使い、「ビルマの幹部指導者らは恥を知るべきだ」とまで批判した。

    避難民の多くは、女性や子どもたちだ。いまこの瞬間も苦しむ彼女ら彼らたちの今後は、いまだ不透明なままだ。