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「土人が差別か判断できない」 鶴保沖縄相の発言全文、あなたはどう思う?

「断じることは到底できない」とも。


沖縄県東村の高江地区で進められている米軍ヘリパッド工事現場付近で、抗議活動をしている人に、大阪府警の20代の機動隊員が「土人」と発言した問題。

自民党の鶴保庸介・沖縄担当大臣は11月8日、参院内閣委員会で、共産党の田村智子参議院議員からの質問に対し、「差別だと断じることは到底できない」との考えを示した。

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「差別と断じることは到底できない」

質問は「逮捕権を持つ公務員、警察官が市民を侮蔑したことは人権問題ではないのでしょうか」との内容。

これまで鶴保大臣が、「土人発言」について、「人権問題だというふうに考えるのではなく、果たして県民感情を損ねているか、虚心坦懐に、つぶさに見ていかないといけないのでは」と述べていたことに対するものだった。

参議院のインターネット中継を見ると、鶴保大臣はこう答えている。

人権問題調査会というのが自民党内にございまして、私はそこの事務局長を長らく務めさせていただきました。

人権問題に関しての議論を大変深く、そして広範にわたってこれまでしてきた経験上、人権問題であるかどうかについて、第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険なことでございます。

言論の自由はもちろんどなたにでもあり、状況的判断もある。人権問題の一番のポイントは、被害者、差別発言を受けた方の感情に寄り添うことだが、その感情に対して、どうして、誰が、どういう理由でこれが差別であると判断するかについては、大変、喧々諤々の議論があるところであります。

そうした重い判断を、私個人が大臣という立場でこれは差別だと断じることは到底できず、いまもまだ議論は続いているという認識をしているからこそ、私はそういう発言をさせていただきました。

「私が判断できるものではない」

その上で田村議員が「土人やシナ人という言葉は、差別的な侮蔑用語として使われてきた。それ以外に使われたことを聞いたことがない」「事の重大性を薄めるような発言をするのはいかがなものか」と問うと、鶴保大臣はこう答えた。

いま委員が奇しくもご発言なさった、土人という発言が差別以外の何物でないとおっしゃったけれども、それこそが申し訳ないけれども、私は判断できるものではないと思っています。

過去に土人という言葉がでてきた歴史的経緯など、様々な考え方があります。また、いま現在差別用語とされるものであったとしても、過去には流布していた事例も歴史的にはたくさんございます。

そういう意味におきましても、土人であるということが差別であるというふうには、私は個人的に断定はできませんと、このことを強調しておきたいと思います。

田村議員は、「現代において、逮捕権を持つ警察官が使った言葉であることの重大性を理解していないのではないか。厳重にいまの発言に抗議したい」とした。

法相は差別発言と認めている

大阪府警は、当該隊員を戒告の懲戒処分としている。BuzzFeed Newsの取材に対し、発言が不適切と認めたが、差別発言かどうかは「詳細な調査結果が入っていない。なにをもって『土人』と言ったのかは、まだ(調査結果が)入っていない」として言及を避けている。

一方、金田勝年法務大臣は10月25日の参院法務委員会で、機動隊員の発言が差別的発言だと認め、「とても残念で許すまじき発言だ」との見解を示していた。