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「ニュース女子」制作会社が検証動画 沖縄ヘイトとの批判に反論

問題になっている番組を作っているのは化粧品大手DHCの子会社。放送したTOKYO-MXTV側はまだ検証番組を作っておらず、検証動画は独自の動きだ。

「沖縄の基地反対派は日当を得ている」などと報じて批判を受けたTOKYO-MXTV「ニュース女子」。3月13日に検証動画が公開された。制作会社が独自に作ったものだ。

dhctheater.com

タイトルは「ニュース女子特別編 マスコミが報道しない沖縄 続編」。3月13日午後11時からYoutube上で公開された。

番組に対するさまざまな批判を受け、制作を担うDHCシアターが独自に動画を作成した。MX側はこの放送を認めず、インターネット上のみの公開となった。

まず、経緯を振り返る。

問題となった番組は、1月2日放送の「沖縄・高江のヘリパット問題はどうなった?過激な反対派の実情を井上和彦が現地取材!」。基地建設に抗議している人たちに日当が支払われているなどと報じた。

根拠は2つ。市民団体「のりこえねっと」が現地の様子を発信する「市民特派員」を募集し、その往復飛行機代として5万円を負担すると書いたビラ。もう一つは「現場で拾った」と説明する2万円と記された茶封筒だ。

番組では、反対派の人たちを「テロリスト」「犯罪者」と表現し、「のりこえねっと」共同代表・辛淑玉さんを「反原発、反ヘイトスピーチを職業的にやっている。隙間産業ですね」と名指しで批判した。

スタジオトークでは男性陣が笑いながら話すなど、あからさまに馬鹿にする様子が散見された。

だが、市民特派員への往復飛行機代と日当との関係は不明確、のりこえねっとへの取材もなく、また、現地取材と言いつつ、「危険」という理由で、反対運動の約40キロ離れたところからリポートしていた。

関連:「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは

こうしたことから報道姿勢に批判が集まったが、MXやDHCシアター側は「虚偽はなかった」「「基地反対派の言い分を聞く必要はない」」などとしていた。

のりこえねっと共同代表の辛淑玉さんは1月27日、BPOへの「人権侵害の申し立て」をし、すでに審議入りしている。

今回の検証番組について、DHCシアターは「今回は1月2日に放送した当番組がBPO審議入りしたことを受け、地上波では放送いたしません」としている。

番組では「ニュース女子の何が問題だったのか」と題して、批判の対象となった6項目一つずつ反論している。

# 高齢者を「逮捕されても生活に影響がないシルバー部隊」と表現したのは問題だったのか

# 一部の基地反対派の活動を「テロリストみたい」と表現したのは問題だったのか

# 「なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?」と疑問を投げかけるのはヘイトスピーチなのか

# 高江のはるか手前の「二見杉田トンネル」で危険だと引き返したのは問題だったのか

# 現場から拾われた茶封筒には2万円の表記 「反対派は日当をもらっているの!?」と疑問を提起するのは問題だったのか?

# 「反対派は救急車の通行も妨害している」という証言の真実は?

1.「高齢者を『逮捕されても生活に影響がないシルバー部隊』と表現したのは問題だったのか」については、沖縄タイムスの報道(2012年9月20日)を引用したと指摘。

「平和団体、抗議方法検討」という記事に「逮捕されても生活に影響がない65歳から75歳」を募り、行動に打って出る準備を進める、とあるとした。

そのうえで、辛さんがそれを追認する発言をしたとも説明した。

2.「 一部の基地反対派の活動を『テロリストみたい』と表現したのは問題だったのか」については、宗教団体「幸福の科学」のネットオピニオン番組「FACT」が撮った映像を引用。

基地反対派の人たちが「沖縄防衛局の職員の写真を撮るためにマスクやサングラスをはぎとろうとしている」様子を流した。また、3月10日付け産経新聞が「沖縄の反基地運動に『極左暴力集団を確認』 警察庁幹部が参院で答弁」と報じたことを取り上げた。

その後、スタジオトークでゲストたちは「気持ち悪い」「あんな暴力は違法」と指摘。「視聴者がその是非を問うべき」「実態を判断したうえで判断すべき」などと語っている。

3.「『なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?』と疑問を投げかけるのはヘイトスピーチなのか」については、西田昌司参議院議員(自民党)へのインタビューを放映した。

西田議員は「政治発言そのものは守られるべきで、ヘイトスピーチではない」と番組側を擁護した。

さらに次のようにコメントして「言論の自由」を主張した。

「なぜ在日韓国人が反対運動をしているのか、という発言は政治的発言であり、自由にすべき。在日外国人であるがゆえにそれを差別だとか人権侵害、ヘイトだと発言し、BPOに訴えると、自由に言論ができない」

4.「高江のはるか手前の『二見杉田トンネル』で危険だと引き返したのは問題だったのか」については「安全に配慮した」という。

ヘリパッド周辺は危険な状態だったとし、「どこが安全で、どこが安全でないかは行ってみないとわからない状態だった」と主張。「安全に配慮し、撮影を中止した」とした。

また、反対派には取材を断られたという状況を紹介し、スタジオトークで「危険でも、近づいていく努力が必要」などとまとめた。

5.「現場から拾われた茶封筒には2万円の表記 『反対派は日当をもらっているの!?』と疑問を提起するのは問題だったのか?」については、「知り合いがもらった」という証言を放映。もらった人からは取材を拒否された、と説明した。

この問題について取材をしたというジャーナリスト大高未貴さんはスタジオで「2万円の日当をもらっている」という話を聞いた、と証言した。

さらに、のりこえねっとが「市民特派員に往復飛行機代として5万円を負担する」ものであり、日当ではないと抗議した点には「問題は資金が支払われていること」「資金援助なんです」などと話している。

6.「『反対派は救急車の通行も妨害している』という証言の真実は?」については、国頭地区の消防本部の署長の「妨害はなかった」という証言を紹介した。

一方で、出動回数が反対運動とともに増えている点(計20件)などを指摘。

「多いときは500名前後の抗議活動や機動隊との小競り合いがあり、安全のために徐行したり、時間がかかったりしたことはある」「邪魔されているという見方も無きにしもあらずです」というコメントも紹介。

そこで、「妨害はなかったという署長ですが、みなさんはどう感じたでしょうか」というナレーションが流れた。

番組の終盤のスタジオトークでは、「基地反対派にはいろいろな主張がある人がいる」「ニュース女子が報じた内容はネットを通じて知っていたものだった。放送法がおかしい」などという会話が紹介された。

大高さんは「タイムスや琉球新報だけではない世論誘導じゃない意見もたくさんある。腫れ物を扱うように沖縄を扱うことこそ差別なんだ、いろんな声を拾って取材してほしいという声を聞く」とコメント。

「だいたい朝日新聞がしゃしゃり出てくる場合じゃないですよ。捏造というなら中途半端な慰安婦検証をちゃんとしなさいよ」と語ると、スタジオは笑い声に包まれた。

そして、拍手と長谷川氏の「また来週お会いしましょう」というコメントともに検証動画は終了した。

Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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