自民党の総裁選が9月29日投開票され、岸田文雄氏が新総裁に選出された。臨時国会での首班指名を経て、次の首相となる。
総裁選には河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の4氏が立候補した。
1回目の投票では過半数をとった候補者がおらず、決選投票の以下の結果で岸田氏の勝利が決まった。
・河野氏:議員票131、都道府県票39の計170票
・岸田氏:議員票249、都道府県票8の計257票
選出された直後、岸田氏は総裁選への思いと、これからの政策、さらに「日本の未来に関わる重要な課題」について語った。全文(要旨)は以下の通り。
今回この大切な選挙を行うことができたこと、本当に多くの皆様方のご努力があったことと存じます。心から感謝を申し上げます。
そして共に総裁選挙をともに戦っていただきました、河野太郎さん、高市早苗さん、そして野田聖子さん。この3人の総裁候補の皆さん、そしてそれぞれの総裁候補を支えられたそれぞれのチームの皆さん、皆さんのおかげで、大変有意義な政策論争をすることができました。
皆さんのご努力に心から敬意を表し申し上げたいと思います。そして何よりも、このコロナ禍の中、コロナ対策をはじめ、様々な我が国の難題課題に対して最前線でご努力を続けておられました菅総理総裁に、心から感謝と敬意を表し申し上げたいと存じます。誠にありがとうございました。
私は、今からひと月ほど前、8月26日、総裁選挙に立候補を表明いたしました。多くの国民の皆さんや、政治に国民の声が届かない。あるいは政治が信じられない、そうした切実な声を上げておられました。
「ノーサイドです」
私は、今や我が国の民主主義の危機にある。こうした強い危機感を感じ、我が身を顧みず、誰よりも早くこの総裁選挙に立候補を表明させていただきました。
そして、総裁候補、それぞれが国民の皆さんに寄り添って、そして国民の声に耳を澄まし、建設的な政策論争を行う。そのことによって、自民党が国民政党であり、国民にしっかり向き合い、そして、自由闊達な政党であるということを示すことができたと考えています。
私たちはこれから衆議院選挙、そして参議院選挙に臨んでいかなければなりません。私たちは、生まれ変わった自民党をしっかりと国民の皆さんに示し、支持を訴えていかなければなりません。
総裁選挙は終わりました。ノーサイドです。全員野球で自民党が一丸となって、衆議院選挙、そして参議院選挙に臨んでいこうではありませんか。
「岸田文雄の特技は…」
足元においては引き続き、我が国の国難が続きます。コロナ対策に必死の覚悟で努力を続けていかなければなりません。また、数十兆規模の経済対策を、年末までにしっかりと作り上げなければなりません。
そしてその先には、新しい資本主義、また自由で開かれたインド太平洋の実現、さらには少子化対策など、我が国の未来に関わる重要な課題が山積しています。
私は、早速今日から全力で走り始めます。全国の党員の皆さん、そして国会議員の皆さん、ぜひ一緒に走っていただきたいと思います。
岸田文雄の特技は、「人の話をしっかり聞くということ」であります。ぜひ皆さんと一緒に開かれた自民党、そして明るい日本の未来を目指して、努力をする覚悟であります。
皆様方のご指導とお力添え、心からお願いを申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。