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在日コリアンへの殺害宣言で、水原希子さんが訴えた「差別の連鎖」のこと。

「川崎市ふれあい館」に届いた、在日韓国・朝鮮人の殺害を宣言する年賀状。弁護士などでつくる「外国人人権法連絡会」はヘイトスピーチ 、ヘイトクライムだと指摘している。そうした事態を受け、水原さんがSNSに綴った思いとは。

川崎市にある多文化交流施設に在日コリアンの虐殺を「宣言」する年賀状が届いた問題。

市や国に早急な対応を求めるキャンペーンに賛同していたモデルの水原希子さんは1月27日、「差別」をめぐる自らの意見をSNSに書き込み、「人間はみんな多種多様なんです」などと呼びかけた。

(*この記事にはヘイトクライムの文言が直接含まれます。閲覧にご注意ください)

在日コリアンが多く暮らす桜本地区にある「川崎市ふれあい館」には1月4日までに、「謹賀新年 在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう。生き残りがいたら残酷に殺して行こう」と書かれた年賀状が届いた。

1988年に市が桜本地区に設置した同館は、同区に多く暮らす在日コリアンの人たちと日本人を中心とした「市民として相互にふれあいをすすめること」を目的としている。

利用者には不安も広がり、来場者が例年に比べ減少している。弁護士などでつくる「外国人人権法連絡会」はヘイトスピーチ 、ヘイトクライムだと指摘している。

この問題をめぐっては、「Change.org」で1月21日から、国と川崎市に早急な対応を求めるネット署名が始まった。水原さんが「悪質な人種差別、在日コリアンに対してのヘイトに心が痛みます」と賛同を示すことで署名はさらに広がりを見せており、27日午後現在で約2万筆以上が集まっている。

水原さんは1月27日、このキャンペーンについての投稿に多くの反応があったとしたうえで、「何か事件が起きる前に警察が動くべきだと思ったし、多国籍市民が交流する場を守る必要があると思った」と賛同理由を明かした。

福田紀彦市長はこの問題について、「こういった脅迫は決して許されるものではない」と非難し、被害届を出すほか、警備員の配置を進める方針を示した。水原さんはこの件についても「明確な対応処置を取る意向を示していて、ホッとしています」と語った。

投げかけた「差別」への思い

同じ投稿で水原さんは、「差別」に関してこんな言葉を投げかけた。

「私はこの世界に生きているどんな方でも、差別や偏見を受けたり、経験した事があるのではないかと思います。性差別、人種差別、年齢差別、身分差別、階級差別、同性愛差別、体型差別、、、」

「言い出したらキリがありませんが、ほとんどの人が、悪意なく知らずの間に他者に対して偏見を持ったり、自分と他者を比較したりして、無意識に差別をしてしまっていたり、もしくはイジメやトラウマなど、自分が経験した心的外傷から生まれる差別や、政治や歴史的な側面から生まれる偏見、誤解、差別もあると思いますし、意図的に差別をしてしまう人もいると思います」

そして水原さんは「偏見や差別を受けた人はその相手を憎み、そしてまた差別が生まれ、差別が連鎖していく」ことを危惧。

差別や偏見を少しでもなくすため、そうした感情が自らに生まれたときに、「意識的に自覚する」ことや「一度相手の立場に立ってみる」ことに加え、さらに「知ること」が大切であると言及した。

「知らない事や知りたくない事があっても、それを遮断するのではなく、知ろうとする気持ちだったり、歩み寄る事で、今までの視点が変わって、 今まで見えなかった事や分からなかった事が少し分かる様になったり」

「意識的に自分の視野を広げていく事によって、物事を色んな角度から見る事が出来る様になって、誤解が解けたり、 偏見がなくなったりする事もあると思うのです」

人間は、みんな多種多様

このツイートに対して様々な見解を拝見しました。長文になってしまいましたが、私が思っている事を文章に纏めてみました。決して簡単な事ではないかもしれないけれど、1人でも多くの人が、人種としてではなく、同じ人類として歩み寄って、許し合ったり、助け合う事が出来る時が来る事を祈っています。 https://t.co/UsFw2JS92X

また、大前提として「誰かに嫌な事を言われたり、 されたりしても、それはあくまでもその相手、 個人の問題であって、それは絶対に人種やそのコミュニティー全般の問題ではない」とも指摘。

「特定の人種を否定するのは、絶対に違うし、理論的に間違っていると思います」と述べて、こう続けた。

「大切なのは、この地球に生きている同じ人類、 地球人として優しさと強さを持って今をしっかり生きていく事、そして前を向く事」とも語った水原さんは、自らが約25カ国を旅してきた経験に触れた。

「日本に住んでいても様々な考え方がある様に、世界にも様々な考え方や思想があって、同じ国や人種、 宗教に属していても、人間はみんな多種多様なんです」

そのうえで、「1人でも多くの人が、地球人として、助け合ったり、許し合ったり、寄り添ったりしていく」ことは「愛の連鎖」にもつながると指摘。

「みんなの意識でMore love Less hateな世界にして行きましょう!」と改めて呼びかけた。