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廃炉までにあと30年。「もんじゅ」にまつわる9の数字

総額予算はスカイツリー何本分…?

8月30日、「高速増殖炉もんじゅ」から核燃料の取り出しが始まった。数十年にわたる廃炉作業の第一段階だ。

使用済み核燃料を再処理し、抽出したプルトニウムをウランとともに使う「高速増殖炉」。使った以上のプルトニウムを得る「夢の原子炉」は、資源に乏しい日本の核燃料サイクルを担う存在として、膨大な税金が投じられてきた。BuzzFeed Newsは、運営主体の日本原子力研究開発機構や各メディアの報じたもんじゅにまつわる数字をまとめた。
時事通信

使用済み核燃料を再処理し、抽出したプルトニウムをウランとともに使う「高速増殖炉」。

使った以上のプルトニウムを得る「夢の原子炉」は、資源に乏しい日本の核燃料サイクルを担う存在として、膨大な税金が投じられてきた。

BuzzFeed Newsは、運営主体の日本原子力研究開発機構や各メディアの報じたもんじゅにまつわる数字をまとめた。

1. これまでに投じた予算:約1兆1313億円

サラリーマンの生涯年収が2億円とすれば、5657人分。1台1千万円のベンツGクラス11万台分、建設費650億円のスカイツリーは17本分の金額になる。予算のうちの4割は保守管理費。会計検査院の調査によると、必要性に疑いのある契約が複数含まれていたという。
時事通信 / 日本原子力研究開発機構提供

サラリーマンの生涯年収が2億円とすれば、5657人分。1台1千万円のベンツGクラス11万台分、建設費650億円のスカイツリーは17本分の金額になる。

予算のうちの4割は保守管理費。会計検査院の調査によると、必要性に疑いのある契約が複数含まれていたという。

2. 建設費:約5900億円

もんじゅの出力は28万キロワットだが、一般的な原子力発電所(出力100万キロワット)の建設費の約2倍だ。日本原子力研究開発機構はこの理由について、「経済性の見通しを得ることではなく、高速増殖炉で安定した発電ができることを実際に確認することに主眼があった」ため、としている。
時事通信

もんじゅの出力は28万キロワットだが、一般的な原子力発電所(出力100万キロワット)の建設費の約2倍だ。

日本原子力研究開発機構はこの理由について、「経済性の見通しを得ることではなく、高速増殖炉で安定した発電ができることを実際に確認することに主眼があった」ため、としている。

3. これまでの稼働日数:24年間で250日

1985年に建設工事が始まり、1994年4月に初めて臨界に達したもんじゅ。巨額の建設費がかかったのに、この24年間で稼働したのはわずか250日だ。1994年の臨界後は205日間運転をし、送電も開始した。しかし翌年12月、冷却材のナトリウムが漏れ出す事故が発生し、運転は中断した。改造工事などを経た2010年5月には試運転を再開し、臨界を達成。今度は45日間運転したが、同年8月に炉内中継装置の落下トラブルが起き、再び中断を余儀なくされた。その後、2013年には原子力規制委から事実上の運転禁止命令も受けた。
時事通信

1985年に建設工事が始まり、1994年4月に初めて臨界に達したもんじゅ。

巨額の建設費がかかったのに、この24年間で稼働したのはわずか250日だ。

1994年の臨界後は205日間運転をし、送電も開始した。しかし翌年12月、冷却材のナトリウムが漏れ出す事故が発生し、運転は中断した。

改造工事などを経た2010年5月には試運転を再開し、臨界を達成。今度は45日間運転したが、同年8月に炉内中継装置の落下トラブルが起き、再び中断を余儀なくされた。

その後、2013年には原子力規制委から事実上の運転禁止命令も受けた。

4. 1日の維持費:5千万円

動かない原子力発電所。にもかかわらず、巨額の維持費がかかり続けていた。1年間(2016年度予算)で見ると、「維持管理及び安全対策に要する経費」が185億円。そのほか人件費に29億円、固定資産税に12億円かかっている。
時事通信

動かない原子力発電所。にもかかわらず、巨額の維持費がかかり続けていた。

1年間(2016年度予算)で見ると、「維持管理及び安全対策に要する経費」が185億円。そのほか人件費に29億円、固定資産税に12億円かかっている。

5. 再稼働費用:5400億円

もんじゅを再稼働するためには、耐震化などの対策が必要だった。文部科学省の試算では、福島第一原発事故後に強化された原子力規制委の新規制基準が適用された場合の経費は1千億円以上。燃料をつくる茨城県東海村の工場の対策も欠かせず、準備期間は最低8年を要する。維持費やその後の運転費も含むと、5400億円かかる見通しだった。そのために廃炉が選択された。
時事通信

もんじゅを再稼働するためには、耐震化などの対策が必要だった。

文部科学省の試算では、福島第一原発事故後に強化された原子力規制委の新規制基準が適用された場合の経費は1千億円以上。

燃料をつくる茨城県東海村の工場の対策も欠かせず、準備期間は最低8年を要する。維持費やその後の運転費も含むと、5400億円かかる見通しだった。そのために廃炉が選択された。

6. 廃炉費用:3750億円

文部科学省の試算では、もんじゅの廃炉費用は3750億円。普通の大型原発の廃炉は800億円かかるため、約5倍だ。費用はさらに増える可能性もある。サラリーマンの生涯年収が2億円とすれば、2829人分。1台1千万円のベンツGクラス3万7500台分、建設費650億円のスカイツリーは5.7本分の金額になる。
時事通信

文部科学省の試算では、もんじゅの廃炉費用は3750億円。普通の大型原発の廃炉は800億円かかるため、約5倍だ。費用はさらに増える可能性もある。

サラリーマンの生涯年収が2億円とすれば、2829人分。1台1千万円のベンツGクラス3万7500台分、建設費650億円のスカイツリーは5.7本分の金額になる。

7. 廃炉にかかる年数:30年

2022年まで3年間をかけて核燃料530本の取り出しやなどを実施する予定だ。その後、2047年までに廃炉を進めるが、冷却材に使われているナトリウムの取り出しは前例がなく、具体的な方法や年限は未定という。
時事通信

2022年まで3年間をかけて核燃料530本の取り出しやなどを実施する予定だ。

その後、2047年までに廃炉を進めるが、冷却材に使われているナトリウムの取り出しは前例がなく、具体的な方法や年限は未定という。

8. 日本のプルトニウム保有量:約47.3トン

使用済み核燃料を「再処理」し、生まれたプルトニウムをもんじゅなどで使うことを目指した「核燃料サイクル」。トラブルが続き、その量は増える一方だ。日本国内には約10トンの、国外(イギリス、フランス)には約37トンのプルトニウムが保管されている。非核保有国のなかでは最大。核兵器への転用ができるため国際社会からの懸念も大きく、原子力委は初めて「保有量を削減させる」方針へと転換した。
時事通信

使用済み核燃料を「再処理」し、生まれたプルトニウムをもんじゅなどで使うことを目指した「核燃料サイクル」。

トラブルが続き、その量は増える一方だ。日本国内には約10トンの、国外(イギリス、フランス)には約37トンのプルトニウムが保管されている。

非核保有国のなかでは最大。核兵器への転用ができるため国際社会からの懸念も大きく、原子力委は初めて「保有量を削減させる」方針へと転換した。

9. 放射性廃棄物を地中に埋める期間:10万年

原発で出た核のごみ(放射性廃棄物)は、地下深くに埋める「地層処分」をする必要がある(写真はフィンランド・オンカロ)。原子力規制委員会は8月1日、原発を廃炉した場合に出た廃棄物のうち、制御棒などの処分に関する基準案を了承した。地下70メートルより深いところに埋め、最初の3〜400年間は電力会社が管理をする。その後は国が10万年間、掘削を制限するという。プルトニウムなどを取り出すために再処理した時に出る高レベルの廃棄物は、さらに深い地下300メートルに、やはり10万年間埋めることになっている。処分先は、まだ決まっていない。国が「科学的観点から有望と思われる地域」から選ぶ方針だが、自治体側の反発は必至だ。
時事通信

原発で出た核のごみ(放射性廃棄物)は、地下深くに埋める「地層処分」をする必要がある(写真はフィンランド・オンカロ)。

原子力規制委員会は8月1日、原発を廃炉した場合に出た廃棄物のうち、制御棒などの処分に関する基準案を了承した。

地下70メートルより深いところに埋め、最初の3〜400年間は電力会社が管理をする。その後は国が10万年間、掘削を制限するという。

プルトニウムなどを取り出すために再処理した時に出る高レベルの廃棄物は、さらに深い地下300メートルに、やはり10万年間埋めることになっている。

処分先は、まだ決まっていない。国が「科学的観点から有望と思われる地域」から選ぶ方針だが、自治体側の反発は必至だ。

Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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