内閣府サイト、公開中止に ヘイトや誹謗中傷を放置との指摘が相次ぐ

    「在日韓国人は叩き出せ」などのコメントが投稿されていた。

    内閣府大臣官房政府広報室が運営する「国政モニター」のサイトに、在日コリアンへのヘイトや、特定の人物に対する誹謗中傷とも受け止められかねないコメントが投稿されていた問題で、同室は5月2日夜、サイトにあった意見を閲覧できない状態にした。

    そもそも「国政モニター」とは、国の施策に対する意見や要望を、公募で選ばれたモニターが投稿し、各省庁に伝えられる制度。

    2012年度からネット上での募集が始まり、16年度まで5年間続いていた。

    投稿されているものは行政改革から防災まで多岐にわたる。

    ただ、以下のように「在日韓国人は叩き出せ」などといった過激なものや、政治家に対して「処刑」を呼びかけるような投稿が、複数みられた。

    • 「のうのうと1100万円も得ている在日韓国人は叩き出せ」(平成29年2月分
    • 「韓国との国交は無くし、在日、帰化人の強制退去が必要ではないでしょうか」(平成29年2月分
    • 「日本は中国の前に在日朝鮮人に牛耳られている。大問題。竹中平蔵氏など在日企業の息の者は即刻排除するべき」(平成26年度分
    • 「鳩山元総理など、外患誘致罪で処刑にすべきではないだろうか?」(平成25年7月分


    一連の騒動と閲覧不可の関連は?

    こうした点を指摘したブログをきっかけに、ネット上で大きな注目を集めていた「国政モニター」。

    少なくとも2018年5月1日夜まで、サイトは閲覧できる状況だったが、2日夜現在「国政モニター制度は平成28年度をもちまして休止しております」との言葉だけが表示されるようになっている。

    広報室の担当者は、サイトを閲覧できなくした理由について、一連の騒動との関連性を聞いたBuzzFeed Newsの取材に対し「コメントできない」とした。

    そのうえで、「いただいた意見はすでに関係省庁に配布し、一定期間公開した。国政モニターの目的は達成し、役目は終わっているとの認識」から、5月2日夜になって、閲覧ができない状態にしたと説明した。

    「複数の目でチェック」していたが…

    同室では、差別的であったり、誹謗中傷ととれる書き込みがあるかどうかについて、指摘を受けて確認作業を進めている。

    ただ、記事は1万件以上あり「中身を全部確認しないといけないため、時間を要する」という。

    また、過去の投稿のチェック体制については、「当時の担当官ら複数の目を通していた」ことを明らかにした。

    「明らかに間違えている誤字脱字などを、一部修正することもあった」というが、2016年度に休止した事業であり、すでに担当が変わっているため、詳細は不明という。

    「国政モニター」の留意事項には、「立法・司法・政治関係のご意見や、誹謗中傷、差別的な内容」などは掲載しないとされているが、そうしたルールに反していると思われる投稿が放置されていた点については、「確認作業」が終わっていないことを理由にコメントはなかった。

    BuzzFeed Newsでは、今後も継続的に取材を続ける。