子どもに関連した政策に取り組む新しい組織の名称が、「こども庁」から「こども家庭庁」に変わったと相次いで報じられた。
菅義偉前首相が検討を指示した当初、名称は「こども庁」とされていたが、家庭も含めた支援をするべきとの指摘や、自民党内保守派、公明党に配慮したと伝えられている。
一方、虐待の当事者など、必ずしも「家庭」が安心できる場所でなかった人もいることから「こども庁」となった経緯があり、自民党内からも反対の声があがっている。
新組織の名称をめぐっては、もともと、自民党内の有志勉強会では「子ども家庭庁」という名称が使われていた。
しかし、議論の過程で虐待を受けた当事者から「家庭という言葉で傷つく子ども達もいる」といった指摘を受け、「こども庁」に変わったという経緯がある。
一方、公明党は衆議院議員選挙の公約で「子ども家庭庁」の名称を使用。また、自民党内からも「子ども政策には親子支援が必要」との声があがった。
結果、名称は再び「こども家庭庁」に。共同通信は「伝統的家族観を重視する自民党内保守派に配慮する」と報じている。
自民党内も一枚岩ではない。議論に参加していた山田太郎・参議院議員(デジタル大臣政務官)は、自身のTwitterで以下のように「子ども真ん中の政策からこども庁の名称を強く訴えます」とツイートした。
また、同じく議論に参加していた木村やよい・前衆議院議員も、「すべての子どもたちの尊厳を守り、幸せを希求する省庁を目指してほしい」として、「こども庁」の名称を訴えている。
俳優の高知東生さんも…
高知さんは「家庭という言葉に傷つきコンプレックスを抱く子供がいることを家庭に恵まれた人達に分かって欲しい」とも述べており、同じような経験を持つ人たちから賛同の声が寄せられている。
子ども政策を担当する野田聖子担当相は、報道があった12月14日に「こども庁の機能についてご質問を受けました」などとツイート。15日夕までに、「こども家庭庁」の名称には触れていない。
野田担当相は自民党総裁選の際に「こどもまんなか庁」という名称を掲げていたこともあり、リプライ欄には「こども家庭庁」の名称に反対する声も寄せられている。