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こども庁→「こども家庭庁」に反対の声。「家庭が安心できる居場所だったことは…」自民党内でも意見割れる

虐待を受けた当事者から「家庭という言葉で傷つく子ども達もいる」といった指摘を受け、「こども庁」に変わったという経緯がある。共同通信は「伝統的家族観を重視する自民党内保守派に配慮する」と報じている。

子どもに関連した政策に取り組む新しい組織の名称が、「こども庁」から「こども家庭庁」に変わったと相次いで報じられた。

菅義偉前首相が検討を指示した当初、名称は「こども庁」とされていたが、家庭も含めた支援をするべきとの指摘や、自民党内保守派、公明党に配慮したと伝えられている。

一方、虐待の当事者など、必ずしも「家庭」が安心できる場所でなかった人もいることから「こども庁」となった経緯があり、自民党内からも反対の声があがっている。

新組織の名称をめぐっては、もともと、自民党内の有志勉強会では「子ども家庭庁」という名称が使われていた。

しかし、議論の過程で虐待を受けた当事者から「家庭という言葉で傷つく子ども達もいる」といった指摘を受け、「こども庁」に変わったという経緯がある。

一方、公明党は衆議院議員選挙の公約で「子ども家庭庁」の名称を使用。また、自民党内からも「子ども政策には親子支援が必要」との声があがった。

結果、名称は再び「こども家庭庁」に。共同通信は「伝統的家族観を重視する自民党内保守派に配慮する」と報じている。

自民党内も一枚岩ではない。議論に参加していた山田太郎・参議院議員(デジタル大臣政務官)は、自身のTwitterで以下のように「子ども真ん中の政策からこども庁の名称を強く訴えます」とツイートした。

虐待や事故で両親を失い家庭がない子、逆に子どもが居ない家庭、家庭前提では傷つく人達がいる配慮、幼き子も読める様平仮名「こども」庁としてきました。勿論、子どもは家庭だけでなく学校、地域の影響も受けます。改めて子ども真ん中の政策からこども庁の名称を強く訴えます https://t.co/4rtH3cC0UD

Twitter: @yamadataro43

また、同じく議論に参加していた木村やよい・前衆議院議員も、「すべての子どもたちの尊厳を守り、幸せを希求する省庁を目指してほしい」として、「こども庁」の名称を訴えている。

俳優の高知東生さんも…

前述した自民党有志の勉強会で講師を務めた、虐待サバイバーの風間暁さんはTwitter上で、「家庭支援は必要なことだし大切ですが、それは子ども主体の子ども支援とは≒(原文ママ)だと思います」などと指摘している。

また、俳優の高知東生さんも「子供時代俺は家庭が安心できる居場所だったことは一度もない」とツイート。こう呼びかけた。

子供時代俺は家庭が安心できる居場所だったことは一度もない。こども家庭庁がこども庁に変更された時にとても嬉しかった。家庭に居場所がなくても社会に居場所を作って欲しいと願った。家庭に恵まれなくても社会に恵まれて欲しい。「家庭に恵まれなかったのは君のせいじゃない」とこどもに伝えて欲しい

Twitter: @noborutakachi

高知さんは「家庭という言葉に傷つきコンプレックスを抱く子供がいることを家庭に恵まれた人達に分かって欲しい」とも述べており、同じような経験を持つ人たちから賛同の声が寄せられている。

子ども政策を担当する野田聖子担当相は、報道があった12月14日に「こども庁の機能についてご質問を受けました」などとツイート。15日夕までに、「こども家庭庁」の名称には触れていない。

野田担当相は自民党総裁選の際に「こどもまんなか庁」という名称を掲げていたこともあり、リプライ欄には「こども家庭庁」の名称に反対する声も寄せられている。