その時、何が。京急線事故、乗客たちが見た緊迫の車内

    9月5日昼ごろ、横浜市神奈川区の京急線の踏切で、トラックと三崎口行きの快特電車が衝突し、車両が脱線した。いったい、電車内では何が起きていたのか。 BuzzFeed Newsは、複数の乗客に取材した。

    9月5日昼ごろ、横浜市神奈川区の京急線の踏切で、トラックと三崎口行きの快特電車が衝突し、複数の車両が脱線した。

    NHKによると、けが人は電車の運転士を合わせて34人。トラック運転手の男性が車両の下敷きになり、その後死亡が確認された。

    いったい、電車内では何が起きていたのか。 BuzzFeed Newsは、複数の乗客に取材した。

    事故があったのは9月5日午前11時40分ごろ。横浜市神奈川区の京浜急行本線神奈川新町-仲木戸間の踏切でのことだった。当時4両目あたりの後方に座っていたという20代会社員の男性は、BuzzFeed Newsの取材にこう答える。

    「ブレーキの音が大きく聞こえ、急に揺れがきて、椅子から投げ出されすべり落ちてしまった。電車が揺れが収まり停車するまで床にしゃがんでいました」

    すぐ近くの座席のガラスは「衝撃で割れて粉々になり、座っていた女性の背中から体全体に降りかかっていました」という。

    「前の車両が燃えていると誰かが言っていて、数人がパニックになっていました」

    外から駅員が身振り手振りで降りるように指示を受けた。電車の連結部分から逃げようとしたが壊れており、誰かが開けた扉から避難したという。

    「子ども連れの親子や老人の方を優先させて、助けながら電車から降りました。ガソリン臭い匂いがしておりました。すぐに電車から離れるよう言われ、踏切から出ました」

    男性が撮影した映像からは、ひしゃげた架線柱や、トラックの荷物と思われる果物が線路に散乱している様子が見える。事故の激しさを物語る映像だ。

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    事故があった現場は、快特電車が120km/hほどの速度で通過する場所だ。3〜4両目に乗っていたという専門学校生は「結構スピードが出ていた」と証言する。

    「寝ようとしたところで、いきなり地震かなと思い、雷のような音が聞こえました。立っている人たちは倒れてしまって、僕から5メートルくらい離れたところの女性は後ろ側のガラスが割れて、怪我をしていた」

    「ドアが開かず、みんなで協力して開くことができました。通路に立っていた人が、火や煙があがったと大声を出し、乗客はパニックになりました」

    ただ、乗っていた場所によってもその状況は異なるようだ。

    4両目あたりに乗っていたという女性は、「すごい急なブレーキというわけではなかったので、立っていた人や子どもは倒れず、座り込みました。ただ、私は車の交通事故のような衝撃は感じなかったです」と語る。

    すぐに駅から駅員らがやってきて扉を開け、避難誘導されたという。女性は、乗客たちも冷静に指示に従い、押し合うなど騒然とすることなく、線路上を歩いて避難したと証言した。