茨城県で震度5弱 地震学者「通常の地震活動」

    おそらく違う。でも、備えあれば憂いなし。

    「もし前震だったら」

    5月16日夜、茨城県で最大震度5弱の地震が起きた。都内でも震度4。震度7が2度続いた熊本地震からわずか1ヶ月だけに「これは前震か?」と不安の声が高まる。専門家に聞いた。

    #もし今日のが前震だったら 必要なものは揃っているのを確認した。あとは寝るだけだ…

    これは「前震」か?

    ツイッターには「前震だったらと思うと怖いなあ」「余震どころかあれが前震だったらなんて考えたらもっと眠れない・・・」などの声があふれ、備えを呼びかけようと「#もし今日のが前震だったら」というハッシュタグも出現。NHKの「生活・防災」アカウントには問い合わせが相次いだ

    地震学者「通常の地震活動」

    BuzzFeed Newsは、京都大学大学院理学研究科の平原和朗教授(地震学)に話を聞いた。

    ーー茨城の地震は「前震」なのでしょうか?

    「今回の震源辺りは『地震の巣』と呼ばれていて、これくらいの地震は年に数回起きています。たまたま熊本地震のあとに起きたから、心配なさる理由はよく分かります。気持ち悪いでしょうね。でも、現状を見る限りは、通常の地震活動だと思います。これが何か大きな地震につながる可能性は見えていません」

    ーー熊本地震の影響は?

    「地震学から言えば力の変化は小さいですし、関東に及ぼす影響は普通の論理からするとあまり考えられません」

    油断は禁物

    「それでも安心できるわけではありません」と、平原教授は言う。

    「熊本地震では前兆的な活動は特に認められていなかった。それに、関東ではいつ直下型地震が起きてもおかしくない状況にある。どこで、いつ起きるのかはわからないが、これまで関東であった地震を時系列に並べれば、そろそろ起きてもおかしくないということは誰が見てもわかります」

    「東日本大震災の影響は日本列島全体に影響を及ぼしていて、活発な状態はこれからも続くと考えられます。しかし、それが今後どう動いていくかはわかっていない。だからと言って逃げるわけではありませんが、自分の命は守るという危機感を常に持っておくことが大切です」

    備えあれば憂いなし、どうやって

    では、「命を守る」ために、どう備えていく必要があるのか。東京都がまとめた防災情報ブック「東京防災」が参考になる。

    たとえば「東京防災」の「10の防災アクション」では「日常備蓄を始めよう」「非常用持ち出し袋を用意しよう」「家具類の転倒防止をしよう」など、いまからできる防災ノウハウが一覧になってまとめられている。

    「備えあれば憂いなし」。起きることを不安に思うよりも、起きたときの対応を考えることが、災害対策において重要だ。