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安倍首相、突然の「解散総選挙」 新聞各紙の報じ方を比べてみると…

「自己都合」から「危機克服」まで…

野党が森友、加計学園問題などの疑惑を問いただすために要求してきた臨時国会の冒頭で、突如として解散に踏み切る。そんな首相の判断について、新聞各紙はどう報じたのか。

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読売新聞「消費税10% 使途変更問う」

BuzzFeed

読売新聞は1〜4面で大きく展開。1面「消費税10% 使途変更問う / 借金返済から子育て支援へ」では、総選挙の争点が「2019年10月の消費税10%への引き上げ時の増収財源の使い道について、国の借金返済から幼児教育無償化など子育て支援の充実に変更すること」にあり、「憲法改正も訴える」としている。

また、「支持回復 解散決断 / 野党準備不足・対北圧力へ基盤強化」との解説記事では、解散へ方針転換した背景に「支持率回復、野党混迷、北朝鮮の挑発」があると指摘。

北朝鮮情勢が緊迫化する中での解散については、首相の「来年に先送りしても、選挙中にミサイルが発射される可能性があるという状況は変わらない」との言葉を引用。首相の考えには「日米同盟を基軸に北朝鮮へ圧力をかけ続ける現在の外交路線の是非」を問う目的もあるとした。

野党から「森友・加計隠し」との批判が上がっているという記事も掲載。さらに、「野党 『臨戦』程遠く」と、民進党や小池百合子知事に近い勢力の新党は、いずれも準備が整っていないとの現状を伝えている。

朝日新聞「透ける疑惑隠しの思惑」

BuzzFeed

朝日新聞は1〜2面や社会面、社説で展開。1面「臨時国会冒頭解散有力 / 野党『疑惑隠し』」では「大義なき解散」という野党の反発を紹介。一方の与党は選挙戦で、「アベノミクスの継続のほか、教育や社会制度を抜本的に見直す『人づくり革命』を打ち出す」としている。

また、関連した社説「透ける疑惑隠しの思惑」も掲載し、「『森友・加計隠し』と言われても仕方がない」と指摘。野党が憲法に基づき臨時国会召集を要求してきたとし、冒頭解散は「これを約3カ月もたなざらしにしたあげく葬り去ることになる。憲法に背く行為」と批判した。

さらに、「北朝鮮がミサイル発射や核実験をやめないなか、衆議院議員を不在にする解散に大義があるとは到底、思えない」とまで言い切り、「首相の狙いは、混迷する野党の隙をつくことだろう」とした。

そのうえで、「十分な説明がないまま、疑惑隠しや党利党略を優先するようなら、解散権の乱用というほかない」と釘を刺した。

毎日新聞「自己都合を優先」

BuzzFeed

毎日新聞も1〜3面、社会面と大きく展開。1面では首相が「新たな経済政策を示し、アベノミクス継続の是非を問う考え」であることを紹介した。

さらに解説記事「自己都合を優先」も1面に掲載し、北朝鮮情勢の「不測の事態も懸念される中、政権の体力を総選挙につぎ込む『政治空白』は常識的には許されない」と批判した。

さらにこの記事では、首相の「情勢が緊迫しているからこそ、安定した政権基盤が必要」と訴える構えについて、「そもそも、野党が憲法に基づいて要求した臨時国会を先送りし続けた挙句、審議もしないで解散する大義になるとは言い難い」と指摘。

臨時国会を開けば、森友・加計学園問題で「支持率は下がるし、宿願の憲法改正も公明党の抵抗で見通せない。それならいったんリセットしてしまおう。北朝鮮を争点にすれば与党に有利に働くはずだ」という首相の「自己都合」が背景にあるとした。

産経新聞「危機克服への民意を問え」

BuzzFeed

産経新聞は1面と2面の「主張」だけと他紙に比べ小さい扱い。1面では「与野党 臨戦態勢 / 自公『今しかない』」では、首相が「核実験や弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮」の問題や、小池百合子知事に近い勢力の「新党の準備が整っていないこと」が理由としている、とした。

2面の主張「危機克服への民意を問え」では、「いうまでもなく、北朝鮮の核兵器・弾道ミサイルにより、日本が戦後最大の危機を迎えている中での選挙になる」と指摘。「いかに難局を克服するかが問われるべき」とした。

また、「この機会に、防衛の根幹を左右してきた憲法9条などの改正をめぐる議論も必要」と言及。安倍首相が提起した自衛隊の存在を明記する改正案について「逃げずに論じるべきだ」とエールを送った。

一方、「危機の時期の解散は政治空白を招くため望ましくない」との意見を紹介しつつ、「第二次大戦時でさえ、日本と英国は総選挙を各1回、米国は大統領選を2回行っている」という歴史を引用。「北朝鮮情勢を理由に総選挙を躊躇すれば相手の脅しに屈し、日本の民主主義が歪められる」とした。

日経新聞「大義は後回し」

BuzzFeed

日経新聞は1〜3面で展開。2面「野党見て解散判断 大義は後回し」では、解散に傾いた理由が「政権維持を優先する判断から」とし、「国民に何を問うための解散かはわかりにくく、大義なき解散との批判は避けられない」とした。

憲法改正を悲願としてきた首相が、衆院の3分の2以上の与党議席を失うリスクをもってしても解散に踏み切る理由は、「政権運営」や「党内の求心力」にあると強調。「改憲発議ができなくなる危険を犯してでも解散による再起動で政局の主導権を保ちたい」と、首相が追い込まれている状況にある、とした。

3面には「早期解散なら経済政策は…」との記事も掲載。臨時国会で政府が提出予定だった「働き方改革」の関連法案の審議が先延ばしになるほか、カジノなど総合リゾート(IR)実施法案などにも影響が出ると指摘。

また、民進党の前原誠司代表が「消費増税を容認する代わりに使い道を広げるよう主張」していることから、その点が選挙戦の争点になる可能性もあるとしている。

Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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