「女子はコミュ力高い」を理由に一律減点していた順天堂大が「女性活躍推進大賞」…?

    第三者委員会が厳しい指摘をしていた。

    医学部医学科の入試で女子や浪人生に不利な扱いをしていた順天堂大学に「東京都女性活躍推進大賞」を贈呈していた都が、同大にヒアリングを行うことがわかった。

    12月10日に同大の第三者委員会の報告書が発表されたことを受けたもの。経緯や背景なども含めて聞き取り、「対応を考えていきたい」という。

    まず、経緯を振り返る

    同大は12月10日、第三者委員会から医学部を受験した女子や浪人生に対し、「合理的な理由なく不利益な取り扱い」をしていたと指摘されたことを明らかにした。

    女子の2次試験で一律に不利にしていた扱いは、遅くとも2008年度から行われていた。

    第三者委の報告書によると、その理由について、教職員は以下の2点を挙げたという。

    1. 女性の方が精神的な成熟が早く、男性より相対的にコミュニケーション能力が高い傾向がある。
    2. 女子寮の収容人数が少なく、収容可能な一定人数に制限する必要があった。


    (1)に関しては医学的検証を記載した資料として学術誌の記事を提出したほか、複数の教員がその「正当性・合理性が認められる」と説明したという。

    「優秀賞」の順大、都の対応は

    「都女性活躍推進大賞」は「全ての女性が意欲と能力に応じて、多様な生き方が選択できる社会の実現に向け」た賞。

    2014年からはじまり、女性の活躍推進に取り組む企業や団体、個人に贈呈されている。

    一方、同大は2017年度、「大学院生を若手研究者と位置付け、大学の実態に即した取組を展開」したことなどを理由に、都の「女性活躍推進大賞」の優秀賞を受賞した。

    医学部の女性教授が増加 (2011年2名1.7%が17年11名6.9%に)したことや、「男女共同参画推進室」を設置した(11年)ことなども理由に挙げられている。

    同賞の候補団体は都が公募しており、順天堂大も自ら応募していたことになる。

    男女平等参画課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、一律減点について「直接お話を伺わないといけないと思っている。連絡を取らせていただいている」と答えた。

    報告書でも「大賞」に言及

    先出の第三者委の報告書では、都の大賞にも言及。「姿勢は一貫しない」として、こう厳しく指摘した。

    前向きな女性活躍推進を進める一方で、医学部入試の一部において女性受験者に対して不利益な扱いをしてきた順大の姿勢は一貫しないものと言わざるを得ず、男女共同参画の理念に立ち返り、直ちに是正の上、信頼回復を図ることが急務である。

    BuzzFeed Newsは順天堂大に対し、大賞に関して何らか対応を行うかを尋ねた。同大の広報担当者は、「現時点では予定はない」としている。

    同大は今後、二次試験で不合格になった受験生48人(うち女性が47人)を追加合格にするほか、相談窓口を開設するという。