自民党本部、杉田水脈議員に「指導」 LGBTめぐり「理解不足と配慮を欠いた」と指摘

    抗議活動や声明を受けたものだという。

    自民党の杉田水脈・衆議院議員(比例・中国ブロック)が月刊誌「新潮45」に「(LGBTは)生産性がない」などと寄稿し批判の声が高まっていた問題で、自民党本部が8月2日、ホームページ上に初めて見解を掲載し、杉田議員に「指導」したことを明らかにした。

    「LGBTに関するわが党の政策について」とする文章は1日付で、2日午前にホームページ上に公表されたという。

    それによると、杉田議員については「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた」と言及。「今後、十分に注意するよう指導した」としている。

    今回の杉田水脈議員の寄稿文に関しては、個人的な意見とは言え、問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実であり、本人には今後、十分に注意するよう指導したところです。

    また、自民党としても、「性的な多様性を受容する社会の実現」を目指していると言及。「性的指向・性自認に関する正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定」に取り組んでいるとした。

    わが党のLGBTに関する政策については、「性的指向・性自認に関する特命委員会」において議論され、平成28年5月、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」が取りまとめられ、同年7月の参議院選挙及び昨年の衆議院総選挙の公約に明記されたところです。わが党は、公約に掲げたように性的な多様性を受容する社会の実現を目指し、性的指向・性自認に関する正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定に取り組んでいます。

    党本部「抗議活動や声明を受けたもの」

    この問題をめぐっては、自民党本部前で抗議活動が開かれ約5千人(主催者発表)が参加していたほか、LGBT当事者の区議などでつくる「LGBT自治体議連」が抗議声明を提出していた。

    7月31日には、自民党北海道連が支援団体の要望書に対し、「LGBTの方々を差別するような寄稿を行ったことは遺憾」「(党本部に)適切に対処するよう求め、多様性が寛容される社会の実現を目指していく」と回答し、党本部の対応が注視されていた。

    自民党本部政務調査会の担当者は、抗議活動や議員連盟の抗議声明などを受けたものであるとし、「そうしたご意見を包括的に捉え、LGBTに関する政策に取り組んできた党の考え方を公表しました」と答えた。