日本維新の会の足立康史衆議院議員(比例)が自身のTwitterで「朝日新聞、死ね」とツイートした。
ツイートは拡散しており、同調する声もある。公人である国会議員が報道機関に対し、また、一私企業に対し、「死ね」という言葉を使い、批判を煽っている。
いったい、どのような意図があったのか。BuzzFeed Newsは足立議員に直接、その真意を取材した。
そもそも、足立議員が「死ね」と引用した朝日新聞の社説「『加計』開学へ これで落着とはならぬ」(11月11日)は、文部科学省の大学設置審が、加計学園の獣医学部新設を認める答申をしたことに関するものだ。
社説では、「来春開学の見通しになったからといって、あの『総理のご意向』をめぐる疑いが晴れたことには、まったくならない」などとしていた。
一方の足立議員は、加計学園の獣医学部新設に関して、朝日新聞が「総理のご意向がある」と記載された文章を報じたことは「誤報」だったと主張。「総理の意向があったかのようにミスリードした」としている。
「保育園落ちた日本死ね」を撤回させる目的も
BuzzFeed Newsの単独取材に応じた足立議員は、「国のため、国会を正すため、日本を前に進めるための『良い炎上商法』という意図があった」と述べた。
一企業に対し、公人が「死ね」と攻撃的なツイートをしたことに関しては、「よくないことであり、問題がある言葉だと理解はしているが、あえて、非難を承知のうえで使った」と語った。削除の方針はないという。
引用した朝日新聞の社説に対しては、「いよいよスタートを切ろうとするところで、また足を引っ張るのか」と感じたという。
そのうえで、「愛媛県や今治市や、加計学園や、獣医学部を目指している学生さんのことを思うと許せないので、あえて死ねという言葉を使った」と説明した。
さらに、足立議員は2016年に話題となった「保育園落ちた日本死ね」についても言及。
「日本国民に対し失礼である」と違和感を覚えていたといい、この言葉を国会で取り上げた山尾志桜里衆院議員や、流行語大賞のトップテンに入ったことに対する「異議申し立て」とともに、「撤回させる」目的もある、とした。
一問一答は以下の通り
ーー今回のツイートの意図は
そもそもね、加計学園の問題は朝日新聞の誤報から大きく展開をしていった。僕は、加計学園に対して迷惑をかけた張本人だと思っている。
僕が怒った朝日新聞の社説では、「認可」について「疑いが晴れたことにはならない」と指摘している。
「まだいうか」と。これから加計学園が手続きを踏んで、学生を募集していこうと、いよいよスタートを切ろうとするところで、また足を引っ張るのかと。
よく「保育園落ちた日本死ね」については、「保育園に落ちて苦しんでいるお母さん方の悲痛な叫びだから許されるんだ」という人もいるが、加計学園だって、愛媛県や今治市、学園の方々、あるいは目指している学生さんの思いを考えると、同じように真剣な思いがある。
学生さんとかのことを思うと許せないので、あえて「死ね」という言葉を使った。
結局、それくらい言わないと誰も注目してくれない。私の朝日新聞に対する怒りを知っていただくためには、こうしてマスコミにピックアップしていただかないといけない。
ただ、問題がある言葉であることは理解している。死ねという言葉は使ってはならないとは思っているが、あえて問題提起のために使った。
朝日新聞の悪行について理解を得るということだけではなく、「日本死ね」のような言葉が使われていることに対する「異議申し立て」だとも思っている。
ーー削除は
検討していない。「日本死ね」を国会で取り上げ、広げた山尾志桜里議員が謝ったり、流行語大賞が撤回されたりするのであれば、僕も撤回する。
ーー「日本死ね」は一市民が匿名ブログに書いたもので、公人が一私企業に対し、使う「死ね」と意味合いが違うのでは
山尾議員は国会で取り上げた。一般の方のブログに対するものではなく、山尾さんと、それを容認した国会に対する異議申し立てです。
「死ね」という言葉を使うとき、人間を名指ししたら、あかんと思いますよ。
日本国だって国民がいる。この国の森羅万象が「日本」という言葉に表現されている。「日本死ね」というのは、日本を構成するすべての国民と森羅万象に対して失礼だと、当時からずっと違和感を持っていた。
朝日新聞に対して「死ね」という言葉を使うのはよくないことだけれども、「日本死ね」に対する異議申し立てとして、あえて非難を承知でやった。
よくないことだけれども、「日本死ね」を撤回させるためにやった。
ーー攻撃的なツイートとして、Twitterのポリシーに反し、凍結の可能性もある
これが凍結されるのならば、それでも良い。僕は問題提起をしているので、問題が大きくなればなるほど意味がある。
ーー炎上商法に見えるが
炎上商法です。そういう意図があります。
ただ、炎上商法にも良いものと悪いものがあると思っている。自分に注意を引きつけるために炎上させるのは悪い炎上商法。
僕の炎上商法は、国のため、国会を正すため、日本を前に進めていくために注目を集めている。これは良い炎上商法。
こんなことをしなくても伝えるべきことを伝えられれば、「死ね」を使う必要はないが、加計学園の問題にしても、是正されない。
いまだに前川喜平・前文科事務次官が「認可すべきではない」と語り、山尾議員ものうのうと国会議員をやっている。
いずれの問題も、まったく本来の筋が通っていないので、あえてやった。
アップデート
表現を一部修正しました。