自民党の憲法草案は使えない? 憲法改正の国民投票までの流れを3分で説明します

    安倍首相「決めるのは国民」

    戦後一度もなかった憲法改正。秋の臨時国会から議論を始めると安倍首相が明言した。

    まず、大切なこと。憲法は丸ごと変えられない。改正できるのは、条文(項目)ごと。

    ①どこを改正するのか決める

    憲法のどこを変えるのか、何を加えるのか。まずは国会議員で話し合う。議論の舞台は、衆参両院に設置される「憲法審査会」だ。

    安倍首相は秋の臨時国会で憲法審査会を開き、議論を始めようとしている。

    ②改正する部分を国会に提出する

    改正部分が決まったら、それを「改正原案」として国会に提出する。衆議院の100人以上、 参議院の50人以上の賛成があればOKだ。

    ③憲法審査会と本会議で議論する

    提出したら、舞台は両院の憲法審査会に戻る。合同でも個別でも開くことができるし、公聴会も実施される。その後、両院の本会議でそれぞれ3分の2以上の賛成があれば「改正原案」は可決する。

    選挙の間、ひたすらに叫ばれていた「3分の2」は、ここでようやく意味を持つ。

    ④国民投票をする

    国会で「改正原案」が可決した60日から180日以内に国民投票が開かれる。国民の半分以上が改正に賛成すれば、それで決まりだ。

    もちろん、スムーズにはいかない。改憲派の中でも意見はバラバラ。どこを改正するのか決めるのに、時間がかかる。

    ちなみに、自民党の改正草案と現行憲法を比べると、9条はこんな感じになる。

    最終的に決めるのは国民だ。

    改憲派もいる民進党や、野党を巻き込んだ議論を始めたい安倍首相。7月11日の会見では、「わが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくかが政治の技術」と発言し、明確な意思を表した。

    安倍首相は会見で、こうも言っている。

    「憲法改正を決めるのは国会ではない。国会は、改正を発議するのにとどまる。決めるのは国民ということが、重要な点なのだと思います」