破産者マップに「閉鎖」の行政指導 指摘された法的な問題点とは

    サイトは官報に掲載されているデータを元にしていると見られていた。

    自己破産した人らの氏名や住所をネット上に掲載した「破産者マップ」に対し、政府の個人情報保護委員会が閉鎖を求める行政指導をしていたことがわかった。

    個人情報保護法に照らして問題があると判断したという。サイトはすでに閉鎖されており、同委員会は「指導に応じて削除したと考えている」としている。

    破産者マップはGoogleマップを利用しており、地図上のピンをクリックすると、直近約3年分の全国の破産申立事件、再生申立事件、特別清算申立事件に関する、申立人の氏名や名称、住所、事件番号などが表示される仕組み。

    サイトの情報は国の出す官報のデータを元にしているとみられ、これまで運営者側は「官報を公表しているのは私ではなく、私たちの国」などと主張していた。

    一方でサイトによる被害が相次いだことを受け、「破産者マップ被害対策弁護団」も発足。活動資金を募るクラウドファンディングが始まっている。

    政府の個人情報保護委員会の担当者は、BuzzFeed Newsの取材に対し、「官報に公開されている情報であったとしても、個人情報保護法上のルールが適用されることになる」と指摘。

    「破産者マップ」は同法の以下の2点に触れるおそれがあると判断したという。

    • 利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない(18条)
    • あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない(23条)


    「本件に関わらず、同じようなサイトができた場合は、同様の対応が必要になると考えています」

    行政指導はメールで実施したという。返信があったかは明らかにしなかったが、「閉鎖は指導を受けたものと認識しています」としている。

    担当者は「今後は再開されないかなど、情報の注視を続けていきたい」と話した。

    UPDATE

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