ネット通販、80%オフの高級ブランドは偽物だった 消費者庁が注意喚起

    800件近くの相談が寄せられている。

    防寒用の高級ブランド「カナダグース」の偽物を販売しているサイトがあるとして、消費者庁は2月22日に消費者安全法に基づく注意喚起を発表した。

    サイト上では「正規品」と称した偽物が「激安価格」で販売されており、各地の消費生活センターなどには800件近くの相談が寄せられているという。

    発表によると、偽物が販売されていたのは「CGJP株式会社」(現在は益天合同会社に変更)が運営していた二つのサイト。

    いずれもサイト上には「すべては未使用の正規品です」と記載されていたが、これは事実ではない。

    消費者庁がカナダグースの国内総代理店に確認したところ、同社は販売店ではなかった。また、販売されていた商品も正規品ではなかったという。

    商品の発送元は、中国や日本の住所が記されていた。さらに、サイトには同社の所在地として東京都世田谷区の住所が記載されていたが、実在しないものだったという。

    サイトにはレビュー欄も

    一つのサイトははすでに閲覧ができなくなっているが、もう一方は「カナダグース 激安販売ー送料無料」というタイトルのページで、現在も複数の商品を販売している。

    商品は1〜2万円代。高いものでは10万円代の「元値」が表示されていることから7〜80%ほど割り引かれた「セール品」であるように見える。

    「当店100%正規品保証!」という文言のほか、「本物と偽物を見分けるには?」という言葉とともに、写真で「偽物」との違いを強調している。

    さらに、サイトにはレビュー欄もあり、「本当に良い買い物でした。ありがとうございます」「この値段で買える品物ではないです」という直近の書き込みも存在している。

    おかしな日本語にご注意

    同社は消費者からの返金に応じる意思を示している一方で、同庁が確認した限り、返金を受けた人はいないという。

    同庁は、サイトの日本語の「字体」や「文章表現」がおかしい部分があったことなどを指摘。以下のように注意喚起した。

    「近年は簡単に見分けることができない詐欺・模倣品を扱う通販サイトが多くなっていますので、少しでも不安を感じた場合は購入を控えてください」

    そのうえで、取引に関して不審な点があった場合は、お金を支払う前に、各地の消費生活センターや海外事業者とのトラブルを受け付ける越境消費者センター、警察に相談するよう呼びかけている。

    消費者ホットラインは電話番号188(いやや!)、警察相談専用電話は#9110だ。